ところが、ワールドカップやオリンピックにもまったく何の関心も持てない自分に突如、1月30日に東京・聖蹟桜ヶ丘の「ファーストスピリット」で開催される「埼玉プロレス」への取材依頼が来たのでした。
当然、スポーツ音痴の自分は「僕よりも、もっとプロレスの魅力を幅広い層に伝えられるライターさんがいるんじゃないんですか?」と言ったのですが、「プロレスをまったく知らない中沢さんから見た感想を、正直に記事にしてくれたらいいんですよ」とリアルライブ編集部の方に言われ、正直、半信半疑な気持ちのまま、私は会場へと向かったのでした。
実は私は、埼玉プロレス代表のサバイバル飛田さんとは以前から面識がありました。
インドア派な私ですが、数少ないアウトドアな趣味がUMA(未確認生物・生きた怪獣)の捜索、探検でして、サバイバル飛田さんは大のUMA好きのプロレスラーとしても有名で、過去に一緒にUMAを探しに出かけたこともあったのです。
会場に入り、本日のプログラムを見ると、出場選手の中に「手足附きだるま女」や「野生のプレデリアン 害獣太郎」といったウルトラ怪獣大百科や仮面ライダーの怪人図鑑にでも載っていそうな名前が見受けられます。
これは一体何? 〜と疑問に思いながらも期待に胸が膨らみます。
いよいよ大会がスタート。まずは埼玉プロレス代表のサバイバル飛田選手がご挨拶を済ませた後、「一円に笑う者は、一円に泣く」という深い言葉とともに、お客様一人一人に手渡しで一円のキャッシュバックサービスが行われました。
そして、ついに試合がスタート。「ケン片谷 対 ピンクタイガー総帥」に続いて行われた「佐野直 対 手足附きだるま女」では、ついに私のような怪獣怪人ファンにとっては非常に気になる存在「手足附きだるま女」が登場!
だるま女は自分の足では移動することが出来ないため、片谷選手とレフェリーの326氏が、だるま女を重そうに運んできて入場となりました。
手足附き…ということで、座り込んだ体勢でいるだけのようにも見えますが、やはり、手足はあってもだるま女なので、一度転がされると自力では起きあがることもできず、大苦戦の手足附きだるま女。
しかし、私はウルトラマンや仮面ライダーを見ていても怪獣や怪人の方を応援する人間でしたので、手足附きだるま女を応援しました。
私の願いが通じたのかどうかは分かりませんが、最終的には手足附きだるま女が勝利。客席からも大きな拍手が起きていました。
その後は、1、2試合に出場した4選手によるバトルローヤルが行われた後、いよいよ本日のメインイベントであるサバイバル飛田 対 野生のプレデリアン 害獣太郎」が行われます。
プレデリアンといえば、プレデターとエイリアンという2大モンスターの特徴を併せ持つ怪物ですが、そんな化け物相手にサバイバル飛田選手は勝てるのか? いや、そもそも生きて試合をまっとうできるのだろうか!?
そんな不安の中、現れたサバイバル飛田選手。続いて現れた野生のプレデリアン害獣太郎! プレデリアンは想像以上に凶暴で、サバイバル選手も大苦戦。流血のあげく、傷跡にプレデリアンが囓っていた大根を擦り込まれるといった、見ていてるだけで悲鳴をあげたくなる、ガメラ対バルゴン級の“痛い戦い”が繰り広げられるのでした。
しかし、サバイバル飛田選手も負けていません。プレデリアンの弱点が、怪獣大戦争に登場した宇宙人・X星人と同様にある種の「音」であることに気付いた飛田選手は、音を使ってプレデリアンにダメージを与えると、ガメラIIIでガメラが強敵イリスを相手に見せた幻の必殺技、バニシングフィストを思わせるような“大技”も披露。苦戦の末、サバイバル飛田選手が勝利したのでした。
こうして記事を書いていても、あれがプロレスのリングの上で行われていた試合とは思えないような、まるで生のウルトラファイトを見ているような、もの凄い戦いでした。
そんなわけでインドア派の草食系、スポーツもさっぱり分からないオタクな自分が見ても、「埼玉プロレス」は非常に楽しい、熱く燃えるイベントでした。
プロレスファン以外の方にも本気でお勧めな興行ですので、次回開催の際には是非、皆さんも足を運んでみてください!
(「作家・歩く雑誌・一番好きなゴジラ映画はゴジラvsビオランテ」中沢健 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou