『この世界の片隅に』といえば、現在TBSでドラマ版も放送されているが、TBSドラマ版と劇場アニメ版は現在に至るまで両者の間で静かな争いが続いているという。原因は、TBSドラマ版がエンドクレジットに「スペシャルサンクス」として劇場アニメ版の製作委員会が記載されているのだが、実際のところ劇場アニメ版のスタッフはTBSドラマ版を関知しておらず、公式HPにおいて「本委員会は当該ドラマの内容・表現等につき、映画に関する設定の提供を含め、一切関知しておりません」と表明する一文を、公式Twitterともども掲載。バチバチの冷戦状態が続いているといわれている。
この余波もあり、現在TBSドラマには、原作および劇場版アニメのファンから批判が集中しているのだが、前述の平和記念式典および8月6日の「広島・原爆の日」に関する認識・取り組み方に関しても一部、視聴者の間でその違いが取り沙汰されている。
劇場版アニメはのんおよび片渕監督が参列した一方、ドラマ版はスタッフおよび出演者が式典参加のため広島へ向かったという情報はなく、また、公式Twitterの8月6日更新分にも「広島・原爆の日」に関して特にコメントを出しているわけではないため、「なんのためにドラマを作っているのか」「戦争被害を描いたドラマなのに何もコメントなしなのはどうなのか」といった強い批判が出ているという。
もちろん、ドラマ版に関しては、原爆投下のシーンはまだ放送されていないため、あえて触れる必要はないのかもしれないが、高い視聴率を誇っている人気ドラマだけに「失望した」という声は多く、劇場アニメ版ののん&片渕監督の行動がより目立った形となった。
スペシャルサンクス問題に、広島・原爆の日問題……『この世界の片隅に』をめぐる争いはまだまだ激化するのだろうか。