2016年にアニメ映画として大ヒットを記録した『この世界の片隅に』。原作はこうの史代の同名漫画で、劇場版の声優を務めたのは女優ののん。実写ドラマ制作が明らかになり、一時はのんのドラマ復帰作になるのではと期待する声も寄せられていたが、最終的に主演として発表されたのは松本穂香だった。平均視聴率は第一話10.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、第二話10.5%と二ケタをキープし、好評を呼んでいる。
そんな中、24日に劇場版の公式ツイッターアカウントが「映画『この世界の片隅に』製作委員会からのお知らせ」から始まるツイートを投稿した。「現在放送中の漫画『この世界の片隅に』を原作とする実写ドラマに“special thanks to 映画『この世界の片隅に』製作委員会”と表記されておりますが、当委員会は当該ドラマの内容・表現等につき、映画に関する設定の提供を含め、一切関知しておりません」とツイートしたのだ。
確かにドラマ『この世界の片隅に』のエンディングのクレジットには「special thanks to 映画『この世界の片隅に』製作委員会」と記されており、劇場版とドラマ版の何らかの関係性があると示唆している。このツイートに劇場版のファンからは、「何も連絡なく先方が勝手に製作委員会が関与、承諾したような印象を与えているとしたらおかしな事ですね」「映画の内容、設定を勝手に参考にしました。ありがとうございました、と言う意味なんでしょうか?」「ドラマの製作にあたってアニメをかなり参考にしましたが、後からパクりと言われたら面倒なのでクレジットに載せときましたってことかな?」などと想像する声が続々と寄せられた。
「通常、『Special Thanks』や『スペシャルサンクス』は、作品を制作するにあたり、テーマへの大きな影響やインスピレーション与えた人物や団体、また、特別な協力をしてくれたスタッフなどに対し感謝する言葉です。だいたいの場合、両者は協力関係にありますが、この場合は劇場版が関与していないところで『Special Thanks』と表記されたとしています。つまり、劇場版のシーンやセリフなど、ドラマ版には何かの影響を受けていると考えられます。劇場版が今回声明を出したことで、ドラマ版は表現を剽窃しているのでは? という印象を受けた劇場版ファンは少なくないでしょう」(ドラマライター)
とはいえ、一方では「映画版とドラマ版の公式が敵対関係になってる様な印象が生まれてる。そういうの嫌だな」「special thanksの文字見て嬉しかったのに…なんかこういう騒動になって残念」といった声も寄せられていた。
なお、ドラマ版は現在までに主立った反応はしていない。この騒動はどういった形で収束するのだろうか。今後の展開にも注目したい。
記事内の引用について
劇場用長編アニメ『この世界の片隅に』公式ツイッターより
https://twitter.com/konosekai_movie