第1試合は「西口プロレスVS真・下町プロレス全面抗争」で、よしえつねお&マザーコングと小島イケル&ブルース・レイのタッグマッチである。最初に西口プロレスが入場。よしえはファンにアピールしながら、マザーコングはお馴染みの灯油缶を持って登場した。続いて真・下町プロレスの入場で、小島は競泳水着一丁で登場した。レイは格好良くジャンプしてリングインしようとしたが、着地で足を痛めて笑いをとる。レイの不真面目さと小島の変態的な格好に対して、西口プロレス側は「真面目にやれ」と抗議した。
アントニオ猪木をオマージュする下町ダァー!が特別レフェリーを務め、特別レフェリー紹介時には猪木のテーマ曲である「炎のファイター」が流れた。
試合は、よしえとレイの対決で始まった。レイが手技足技を繰り出して攻撃するが、あまり効いていない。逆に攻撃したレイが足を痛める始末である。よしえがラリアットで反撃し、レイをリングに沈める。「メガネを取りなさい」と宣言して、レイのサングラスをむしり取り、リングの外に投げる。レイは体勢を立て直し、ロックアップになる。そのまま両選手はどんどん接近し、密着して「Yes, Fall in Love.」というお笑いのオチで終わった。
両陣営とも選手を交代する。マザーコングが攻撃するが、小島はオマージュする芸人・小島よしおのネタ「大丈夫、大丈夫」や「そんなの関係ねぇ」で返す。再び選手交代した辺りから混戦模様で、二人がかりで攻撃するシーンも見られた。
西口プロレス優勢の展開であったが、連携ミスが命取りになった。マザーコングが十八番の灯油缶攻撃を始めるが、よしえにぶつけてしまう。灯油缶の打撃ダメージで弱っているところをレイがフォールし、真・下町プロレスが勝利した。
「西口プロレスVS真・下町プロレス全面抗争」はスーパーFWMで定番の前座試合であるが、今回はタッグマッチとして出場選手を絞った点が特徴である。出場選手が多いと、持ちネタを順番に披露するだけで終わる危険がある。その点、今回はレスリングと笑いの両方が楽しめる試合であった。
第2試合は雫あき&猪熊ユカとウルフ・スター☆&ブラックドッグの男女タッグマッチである。試合は雫とウルフのつかみ合いで始まった。最初は雫がロープに押し出されるも、体勢を立て直してタックルする。寝技に持ち込むが、ウルフに返され、さらに逆転するという攻防を繰り返す。最後は雫がロープをつかむ。レベルの高い攻防に観客から拍手が寄せられた。
ここで雫は猪熊に交代する。ウルフの蹴りで猪熊は倒れる。ウルフと交代したブラックドッグも攻撃を続けるが、猪熊の反撃に遭う。交代した雫が「この野郎」と叫び、豪快な投げ技でブラックドッグをリングに沈める。男性部員しかいない学生プロレス出身の雫は、男性選手相手に豪快な攻撃を繰り出すところが魅力である。
ウルフは猪熊の妨害に遭いながらも、それを振り切って、ブラックドッグを救援するために乱入する。ここで雫は猪熊とタッチし、リング上では猪熊とブラックドッグの対決になる。一方で雫はウルフに椅子を投げつけるなど場外乱闘を始めた。最後に猪熊がブラックドッグにフォールを決めて、雫あき&猪熊ユカ組が勝利した。
第3試合は羽沙羅&ヘイリー・ヘイトレッドと米山香織&チェリーボムの日米混合女子プロレスラーのタッグマッチである。これまでのタッグマッチでは選手の入場曲はタッグ毎であったが、この試合では一人ずつ紹介され、入場曲がかかった。羽沙羅、チェリーボム、ヘイリー、米山の順で入場した。
羽沙羅の入場時は赤のテープが舞った。会場には「恐竜プリンセス」「小悪魔ヒロイン」と書かれた羽沙羅の垂れ幕が掲げられており、羽沙羅の人気を感じさせる。北米でアイドル的人気を誇るチェリーボム入場時には会場から「セクシー」の掛け声がかかった。
リングインした両チームの選手が向き合うが、中でもヘイリーと米山が睨み合う。何しろ両選手は10月10日に『JWP Revolution』で対決する予定である。この試合は両選手にとって前哨戦になった。
試合はヘイリーとチェリーボムの対戦で始まった。ヘイリー優勢のまま、羽沙羅の交代。羽沙羅もキャメルクラッチを決めるなど、攻撃を続ける。チェリーボムのパンチが炸裂するなど反撃もあったものの、羽沙羅優勢のまま米山に交代。ここで形勢が逆転し、米山が攻撃する。羽沙羅はヘイリーと交代し、ヘイリーと米山の間で激しい戦いになる。
その後は選手の乱入や場外乱闘で混戦模様となる。基本的にリング上は羽沙羅対チェリーボム、場外はヘイリー対米山の構図となった。リング上の戦いは羽沙羅が優勢だったものの、反則気味の攻撃にレフェリーからの静止もしばしばであった。遂に羽沙羅は鞭を持ち出し、チェリーボムの首を絞めて反則負けになった。収まらない羽沙羅はレフェリーにも攻撃した。
羽沙羅とチェリーボムの退場後、リングに上がったヘイリーは米山を挑発する。米山もリングに上がって乱闘を行い、両選手ともスタッフに羽交い絞めされて強制退場となった。不完全燃焼に終わった闘志は『JWP Revolution』で爆発するだろう。
(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者 林田力)