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鳩山前首相の置きみやげに苦悩する民主党

 環境省の南川秀樹事務次官は3日、タイのバンコクで開かれた気候変動枠組み条約特別作業部会で会見し、福島第一原発の事故を受け、2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減するの目標値を見直す可能性を示した。しかし、この発言に宮城県入りしている松本龍環境大臣(59)は「温暖化対策に取り組んでいくという決意に変わりはない」と述べ、すぐさま事務次官発言を打ち消した。

 永田町関係者はこう話す。「福島第一原発事故を受けて、世論は反原発へと流れ始めている。現在建設中や計画中の原発は中止や変更になる可能性が出てきたなかで、それでは、何で発電するのかという問題になる。原発に頼れなくなる以上、火力発電の稼働量を上げていかなくてはならないが、ネックになるのは2009年の国連会議で当時の鳩山由起夫首相が宣言してしまったCO2の25%削減目標なんです。政権与党なので、いまさらできませんとは言えない状況ですね」

 発表当初、民主党内からも「鳩山首相の人気取りパフォーマンス」だと揶揄された削減目標だったが、この東日本大震災で「あのとき、あんなこと約束しなきゃ良かったのに…」という声まで出ているという。今回、事務方からの声が挙がったということは、民主には任せていられないという官僚の思惑も見え隠れする。民主党も本音はCO2削減目標なんて撤回したいところだろうが、早計に判断するとまた「マニフェスト破り」と批判されかねないのが頭痛のタネだ。今となっては鳩山前首相の「負の置きみやげ」が恨めしいに違いない。

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