六角堂は富士河口湖町の指定文化財で、小さな島の上にある。通常は湖に浮かんだ状態にありボートでしか行けない。現在は水位が下がり、昨年に引き続き、南岸から六角堂まで約150メートルを歩いていけるようになっている。同町によると、28日時点で、基準水位より3.57メートル低い状態だという。
湖の底にあるはずの“幻の道”が出現した理由は水不足にある。河口湖の8月の降水量は55ミリで、平年の176.8ミリを大きく下回っている。
珍しい風景を喜ぶ観光客が相次いでいるが、水不足と酷暑による悪影響も懸念されている。水位が下がったことで、スワンボートの待機スペースが減少。現在、3台のボートが使えない状況になっている。
魚への影響もある。河口湖漁協の担当者は「水位の低下でワカサギの産卵に適した場所が減ってしまう」と話す。水温上昇により、冷たい水を好むワカサギが弱って産卵できなくなる心配もあるという。
ネット上では「貴重なので歩いてみたい」「ここまで歩けるのは浪漫」「モン・サン=ミシェルかよ」といった声もある一方で、「これは放置していい問題じゃないと思う」と深刻に受け止める意見もあった。
珍しい景色を見たくなる気持ちは理解できるが、今後も水不足が続き、各地の景観や生態系が損なわれてしまわないか心配だ。