自粛期間を設けたのは、新台入替に必要な手続き業務によって、サミット警備で忙しい警察当局に負担をかけないため。各都道府県のホール組合で決めたもので、期間は地域によってバラつきがある。
東京、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬などはきょう14日から解禁。首都圏では神奈川だけ22日解禁としている。6月上・中旬から約1カ月我慢した直後ゆえ、“回収”に走るホールが多いのではないかとウワサされていた。
しかし、予想に反して“出血大サービス”になりそうだ。業界関係者は「地域ごとに横一線の解禁で、出玉をシブるのは『ヨソで打ってください』と言うようなものだから、出さざるを得ない」と指摘する。
新台入替が集客の起爆剤であることは周知の通り。ファンからすれば、新台は打ちたいものの負けるのは避けたい。そこで、本紙が匿名を条件に首都圏各ホールの関係者を取材したところ、嬉しい異変を予期させるナマの声が集まった。
「自粛はキツかった。出玉もイベントも派手にやる。長いこと新台を打てなかったファンを裏切るわけにはいかないでしょ?この時期に回収するバカなホールはないよ。客が飛ぶ(離れる)から、お盆に回収できなくなっちゃうでしょ」(千葉県内の大型店)
「自粛中は、メイドさんを呼んでおしぼりやジュースを配ってもらいました。ハード(機種)がないぶんソフト(サービス)を充実させたら、予想を上回る売り上げを達成できた。経費がそれほどかからないサービス合戦で、集客に結びつけたのは自信になりましたね。自粛明けは新台導入で弾みをつけ、お客さんをさらにがっちりつかみたい」(都内渋谷区の某ホール)
自粛中は「苦戦組」と「健闘組」がおおよそ7対3の比率。しかし、自粛明けに出玉サービスをするホールは約9割に上った。
ほとんどのメーカーから自粛明け用機種が販売される中、起爆剤としてダントツに期待が高かったのは「CR大海物語スペシャル」(三洋)と「CRぱちんこアバンギャルド」(京楽)の2機種だった。
さっそくメーカーを直撃!三洋は「担当者不在」とのことで取材が間に合わなかったが、京楽はホールの期待を集めていることに感謝して次のように話した。
「うれしい限りですね。ファンも新台を待っていたわけですから、高稼働&長期稼働でみなさんに楽しんでほしい。『アバンギャルド』はアイドルとデートできる機種で、夏といえば…の水着ショットも搭載しています。おかげさまでホールさんにも『にぎやかでいいね』と評価をいただいています」(京楽広報室)
さて、どのホールでも出玉サービスが期待できるなら、どこで打ってもよさそうだが、それでも普段のサービスチェックは欠かせないというのは前出の業界関係者。
「どれだけ出玉サービスしていても負ける人がいるのがパチンコ。少しでも勝率をあげるためには、サミット自粛中にも営業努力を怠らなかったホールを選びたい」
クギのチェックはもちろんだが、あくまで勝負は時の運である。新台に浮かれて大枚をはたいて、自分を“パチンコ自粛”に追い込まないように…。
【本紙連載パチンコ・パチスロ専門ライター神保美佳さんの話】
新台入替が1カ月できなかったため体力勝負になり、ホールにも格差が生じています。いまは大手チェーンといえども安泰ではなく、チェーン間で人気機種をぐるぐる回す戦略を取る一方で、不採算店を閉めています。自粛期間中はイベントが盛んで、多少は出玉もサービスしていたところが多かったようです。これから8月にかけて登場するのは、ホールと一部のお客さんがもうかるギャンブル性の高い機種。昨年末に4分の1が廃業に追い込まれたパチスロに比べれば、パチンコは活況にみえますが、惑わされずに予算を守って遊ぶことが大切です。
【そのほかの注目新機種リスト】
CR華麗なる小林幸子の世界(ニューギン)、ぱちんこCR北斗の拳(サミー)、CRジュラシックパークMAX(藤商事)、CRフィーバー夏祭り(SANKYO)、CR42.195キロ(奥村)、CRミニスカポリス2(DAIICHI)、CRデビルモンスターズ(マルホン)、CR響三姉妹(平和)、CRエルビスプレスリー(TAIYO ELEC)、CR行け!稲中卓球部(Sansei R&D)、CR占星少女ななみ(高尾)、CRAモーニング娘。(ビスティ)、CRAお江戸deモンスター(竹屋)、CRAバーストエンジェル(豊丸)