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「組織に向いてない」理由でフリーランスになるのは危険? スキルより必要なこととは

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 近年、「職場での人間関係がうまくいかない」「職場の飲み会が煩わしい」など、自分は組織には向いていないと感じている人がフリーランスを目指すケースも増えてきているという。しかし、実際はそんな甘い世界ではないらしい。

 組織に属さない新しい働き方として、フリーランスの注目度は増して来ている。フリーランスは自らの専門的なスキルを頼りに、会社に所属せず仕事を行っていく労働形態。よって、フリーランスは基本的に単独で仕事するため、職場での人間関係というものは発生しないが、会社に所属しないが故のデメリットもある。

 厚生労働省がまとめた「フリーランス白書2018」によると、現在フリーランスで活動している人は、自身の働き方の満足度について、以下のように回答している。まず、働く時間や場所など就業環境に関しては、「非常に満足」「満足」と答えた割合が全体の8割程度を占めている。フリーランスは働く時間や場所は自分で決められるので、この満足度の高さは当然の結果だろう。また、達成感・充実感についても、「非常に満足」「満足」と答えた割合が8割程度を占めている。自分が好きな仕事のみを専門的に扱っていることが、この満足度の高さにつながっているのだろう。さらに、気になる仕事上の人間関係でも「非常に満足」「満足」の割合が7割を超えた。やはり叱責する上司やそりが合わない同僚などがいないので、気を遣う相手がいなくなり、人間関係のストレスがかなり減ったようだ。ここまでの結果では、現役フリーランスは、自身の働き方にとても満足していると言える。

 一方で、実際フリーランスになってギャップを感じたとの声もある。筆頭に挙げられるのが、コミュニケーション力の必要性だ。一人作業が多いため、他者とコミュニケーションを取る必要が無いかと思いきや、そんなことはない。コネが無ければ、仕事を取るためには自分でクライアントを探し営業をすることが必須になる。その場合、ギャランティー交渉や賃金未払いなどの悪徳業者を見抜く情報力などもすべて自己責任で行わなければならない。また、実際のやり取りでも、仕事なのだから会社員と同様に、ビジネスマナーは求められる。さらに、クライアントとのやり取りではスピードも重視される。例えば、後で返そうと思い、仕事のメールを放置していてはクライアントの信用を無くし、次の仕事につながらないケースも生じる。

 また、フリーランスは基本的に全てのことを自分でやらなくてはならない。会社員の場合は、経理や事務処理など担当部署の方がやってくれていたので自分の仕事に集中できる。しかし、フリーランスでは請求書の作成や確定申告などの仕事以外の作業が増えるので、これも意外な盲点だ。事務作業に追われ、肝心の仕事の時間があまり取れないと嘆くフリーランスもいるようだ。

 さらに、フリーランスは会社員と比べ社会保障制度が薄い。年金は国民年金のみで、その保険料も全額納めなければならない。住民税や所得税などの税金も、自身で確定申告を行わなければならないので手続きが面倒だ。有給休暇も存在しないので体調を崩すと収入が途絶える。このようにフリーランスは色々とリスクが高い働き方なのだ。

 意外と多い、フリーランスのデメリット。そのためフリーランスを目指すなら、かなりの覚悟が必要だろう。自分のスキルを試したいなどのポジティブな理由でフリーランスを目指すならいいが、会社組織に疲れたというネガティブな理由で目指すのは挫折する可能性が高い。働き方が多様化する中、どの職種にも言えることだが、メリットとデメリットを把握した上で仕事を選ぶべきだろう。

記事内の引用について
フリーランス白書
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000189092_2.pdf

文:またたき

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