デビュー前から地上波のレギュラーをゲットする肝入りも、追い風となった。現在も、日本テレビ系朝の情報番組『ZIP!』の中で、冠コーナー「DESHIIRI King&Prince」が、週5でオンエア。さらに、12日にスタートする新番組『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ系)には、高橋海人が民放のゴールデン帯にソロで初レギュラーだ。11月2日には平野の主演映画『ういらぶ。』が公開され、怒濤の勢いは止まらない。
この間、およそ8か月にわたって密着取材も入っていた。そのお披露目日が、ついに来た。5日の深夜にスタートした新番組『RIDE ON TIME〜時が奏でるリアルストーリー〜』(フジテレビ系)である。
同番組は、エンターテインメントのバックステージに特化した連続ドキュメンタリー。ひとつのテーマに長期密着し、1か月(4週)に渡って描き出す。そのトップバッターとなったのがキンプリ。初回の番組冒頭から、いきなり攻勢を仕掛けた。19歳から23歳の彼らの使命は、ファンを胸キュンさせて、仲がいい姿を見せつけること。ところが、冒頭シーンではいきなり、その真逆を行った。
永瀬廉が、「おい、高橋! また、おまえ待ちだぞ」と怒りの声で叫べば、平野は「こんなチョコ、持ってんじゃねぇよ」と不機嫌な口調で続ける。最年少で弟キャラの当の高橋は、「マジ、ごめん」とニヤけながら謝り、一瞬カメラを見て「撮ってるからいいや」と微笑する。すると、平野が再び一喝。「撮ってるとか、気にすんなよ。オフを撮ってこその、密着じゃん」。ピリつく室内と沈黙。バラつく6人の視線。バックヤードで繰り広げられた喧嘩は、マジだった。
初週は、平野と高橋にスポットが当てられた。平野は、アイドル雑誌『Myojo』(集英社)の撮影で猫耳を着けられると、「いくつまでこれするんだろう、俺」と疑問を抱き、スタッフから「35歳」と返されると、「しんどっ!」と疲弊。「母子家庭なんで、親のためにちゃんとアイドルというお仕事しなきゃなっていうのがある」と、アイドルを仕事と割り切る面も見せた。
冒頭の問題児・高橋は、幼少期から今なお、とにかく自分に自信がない。デビューが決まったときは、うれしさよりも不安が上回り、毎晩涙で枕を流してから、眠りについたという。「一生分の涙を使ったと思います。まわりの重圧に耐えれるか不安で」とこぼす。
番組タイトルの「RIDE ON TIME」は、ジャニーズタレントと縁が深い山下達郎の名曲が由来。ゆえに、主題歌に起用されている。ナレーションは、事務所の大先輩にあたる風間俊介が務める。全力疾走真っただ中のキンプリの闇にも忌憚なく迫る深夜のジャニーズプログラム。キンプリは自分の子どもと同年代とスルーしているオトナのジャニヲタでも、十分楽しめる。
(伊藤雅奈子)