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競輪穴男列伝 鬼脚・井上茂徳をほうふつとさせる岩津祐介を狙いたい

 ラインを大事にして、展開次第では自力で踏んでくる。多少番手は悪くてもコースをきっちり決めて差す脚は鋭い。昔の鬼脚・井上茂徳(佐賀)みたいなレースをするのが岩津祐介(87期・岡山)だ。

 今年はGIクラスに成長したが競輪祭は落(1)失、日本選手権(1)落(1)(3)、高松宮記念杯(4)(7)(4)(9)、寛仁親王牌(2)(6)(7)(7)。落車や失格はあるが、それは戦いの結果。落車しても次のレースをきっちり走るのは立派だ。
 2年6月武雄デビュー。5か月後には佐世保(1)(2)(1)でA級優勝。3年にはS級に上がって4年の観音寺で(3)(1)(1)でS級戦を制覇。このときの決勝では町田勝志-中井達郎の静岡ラインを一気に追い込んだ。2車単で7700円、3連単は3万6950円の高配当をファンに提供している。
 5年の岸和田・全日本選抜では(1)(6)(4)(1)と2勝。初日は吉岡稔真-紫原政文の福岡ラインを粉砕した石毛克幸(千葉)の先行に切り替えてバック6番手から4角インに入って1着。外をまくった富弥昭(山口)と1、2着の中国車券が、なんと2車単3万1460円の大穴、3連単は筋違いの松永晃典(静岡)が3着に入って37万8050円の超大穴になった。
 岩津の強力な2センターからの攻めは250kgの背筋力と、左右75kgの握力に支えられているのではないか。もちろん競輪選手の握力は普通の人に比べて大きいが、75kgは珍しい。昔、斉藤哲也(兵庫)が70kgまで握力を高めて、師匠の板東利則を驚かせたが、岩津はその上をいく。
 もがきにかかったときのハンドルの引きが、パワーに転化するから、追い込み選手にとっては握力の鍛錬は絶対に必要でもある。
 岩津はラインの決まった時は無理をして番手にはいかない。同県の先輩の後ろを回って先輩たちがもつれて力を失った時にまくり追い込みにかかる。それも瞬間的にインを狙ってみたり、中も割る。ラグビーで言うところのブラインド攻撃。その技術は天性のものだろう。前がふさがっていればどうしても外に行きたくなるが、岩津はコースが空くことを予測するように突っ込んでくる。まさに鬼脚・井上のレースに似ている。
 このままいけば、追い込みで鳴らした国松利全(36期)以上の選手に成長しそうだ。87期でまだ26歳。今年、後期からGIでも優参を狙い、来年にはGIの優参常連から制覇まで期待できる。
 師匠の片岡克巳ほどの自在性はないが、たとえどん尻の展開でも2センターで空いたコースを上がり、ゴール前で伸びる岩津の戦法は、特に筋違いの頭狙いから2着、3着狙いも外せない。同期のライバルは追い込み転向の内田慶(栃木)だが、岩津の安定感は内田に勝っている。穴選手という対象だけでなく、SS級アップの日が近いことでも注目したい。

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