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専門医に聞け! Q&A ストレスと腰痛の関係はあるのか?

 Q:デスクワークのせいか、定期的にギックリ腰気味になります。整形外科で検査をしたこともありますが、いわゆる「腰痛症」と診断されました。最近、腰痛の8割は精神的ストレスが関係していると聞きました。本当でしょうか。対策法と併せて教えてください。(38歳・倉庫会社勤務)

 A:整形外科では、以前より、腰痛の患者には画像診断を行い、椎間板に異常があれば、それが痛みの原因であると解釈してきました。
 椎間板が飛び出て、それが神経を刺激し痛みを引き起こしている、と。診断名でいうと、腰椎椎間板ヘルニアです。
 ところが、この突起(ヘルニア)は大半が1年半から2年程度で自然に消滅します。しかし、痛みがひかない場合が多いのです。これは、ヘルニアと痛みの発生は直接の関係がないということです。

●ストレスのせいにしない方がよい
 以上のようなことが明らかになって、腰痛の8割は原因不明といわれるようになりました。さらには、その8割について、整形外科の学会では、「心理社会的要因」からくる「ストレス」が要因という見方を示しています。
 確かに、精神的ストレスは体を緊張させます。緊張すると血液などの循環は悪くなり、筋肉は緊張し、柔軟性を失います。ですから、ストレスが原因という見方は間違いであるとはいえないでしょう。「腰痛は怒りだ」との説を唱えている医師もいます。
 現代に生きる私たちは、生活や仕事への不安、人間関係の悩みなどを抱えながら頑張って生きています。日本は一昔前に比べると、普通に生きるのが大変な社会になりました。
 失業や経済的破綻などの大きな問題を抱えていなくても、リストラの不安や会社の人間関係の悩みなど、解決しづらいストレスのタネは尽きないでしょう。
 無理をし過ぎる生活を改めることで、腰痛は改善してくるといわれます。なるほど、休暇を2〜3カ月も取り休養すると、腰痛は自然に治るでしょう。しかし、現実は不可能です。

●生ゴムのバンドを巻く
 私は、ストレスは腰痛の主たる原因ではないと、これまでの研究から信じています。腰痛の原因の大半は、骨盤のゆがみによります。ストレスを持ち出すとややこしくなります。純粋に骨格の問題として捉えたほうが適切ですし、精神的にも楽なはずです。
 骨盤のゆがみは、私のクリニックでは、ペルビックセラピーを行って改善します。自分でできる方法としては、生ゴムのバンドをお尻に巻いて腰を回す運動を勧めています。
 ゴムバンドを巻くだけでも痛みが緩和できます。

山田 晶氏(飯田橋内科歯科クリニック副院長)
骨盤療法(ペルピックセラピー)で著名。日本歯科大学卒業。歯科の領域から骨格に関心を持ち、骨盤のゆがみに着目。骨盤のゆがみを自分で取る方法として、腰回しの普及に努めている。

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