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ルネサンス期の絵画に「スプートニク」が描かれていた!?

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画像はイメージです。

 古代の遺跡からは時折、現代人でなくてはその存在を知り得ないであろう物体が描かれていたり、彫刻や装飾品などが出土・発見される事がある。

 南米コロンビアの遺跡などから発掘された黄金のペンダントは、その形状が現代の戦闘機やジェット機に酷似しているとして近年までオーパーツとして見なされていた(現在では、プレコという魚をかたどった物であるという説が強い)。

 同様の事例は古い絵画などにも散見される。今年3月頃、海外のUFO研究家がルネサンス期の宗教画にUFOが描かれている!? と発見して注目を集めていた。その作品はイタリアはモルタルチノの聖ペトロ教会に存在している「三位一体」という作品だ。縦に長い絵画の上部には、雲に乗った二人の人物が描かれている。右側に父なる神、左側に子なる神イエス・キリスト、上空には聖霊を現すハトの姿があるのだが、父なる神とイエスの間には「二本のアンテナを持つ青い球体」が鎮座しているのだ。この形状が、どう見ても旧ソ連が打ち上げた人工衛星スプートニクにそっくりであるとして注目を集めたのだ。

 この作品は後期ルネサンスを代表する画家、ボナベントウラ・サリンベーニによって1595年に描かれたものである。16世紀の人物が、当然人工衛星の存在など知りうるはずがない。ということは、よく似たUFOを想像して描いたものなのだろうか?

 さて、この絵をよく見てみると、青い球体には上部に黄色い太陽、左下の隅の方には白い三日月状の月が描かれている事が解る。この絵は恐らく、当時考えられていた天球をイメージしたものではないかとみられている。当時は天文学では天動説が主流であり、1500年代には地動説の原型が発表されていた時期であった。そこで、「主は空から我々を見守っている」様子を解りやすく示すため、天動説で考えられていた全天や天球をアレンジして描いたものではないかとする見方も存在している。

 果たして、彼がどのような目的でこのような物体を描いたのかは解らない。しかし、キリスト教とその教えに対する深い敬愛の念をもって描かれたのは確かだと言えるであろう。

文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所

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