作者が不明で、謎が多い書物でもある。
『をのこ草子』には、享保の頃から250年後、つまり1980年頃からの現代日本の様子が描かれていた。
予言を現代語訳にした一部を以下に紹介してみよう。
「今から、五代後の250年経つと、世の中も様変わりしているだろう。キリスト教が盛んとなって、空を飛ぶ人も現れ、地中を移動する人もいる。気象を自由に操り、死んだ人間を蘇生することも可能である」
キリスト教とは、西洋の物質文明を指すものと思われる。
空を飛ぶ人というのは、飛行機やロケットのこと。地中を移動する人というのは、地下鉄のことであろう。
気象を自由に操るのは、天候の操作も可能な気象兵器のHAARPのことかもしれない。
死んだ人間の蘇生とは、臓器移植やクローン技術のことであろうか。
「このころは人の心も悪くなっており、世の中の世相も荒れている状態である。妻は夫のいうことを聞かず、男は髪の毛を伸ばし、青白くやせ細り、戦場でも役に立たなくなる。女はショートカットになり、赤黒く日焼けし露出の大きい衣類を着て、性的に乱れ、両親や夫、自分の子供さえも顧みなくなる。何かと欧米の流儀を真似て、忠義や孝行、節度などが無くなり、仁や義という概念も失われている」
これは西洋の物質文明と欧米化が進み、風俗が乱れて人々は礼節を重んじなくなり、日本人の心が失われていく様子が描かれている。
そして肉食系女子や草食系男子の登場も予言している。
これは、終戦後のGHQによるアメリカの占領政策「3S政策」(映画テレビ等の「スクリーン」「スポーツ」「セックス」=3S漬けにして、日本人の思考能力を鈍らせて日本弱体化を計る政策)が推し勧められた結果の表れなのかもしれない。
「こうしていよいよ世の中が衰えてくると。地、水、火、風の大きな災害が起こり、日本人の10割のうち5割は死んでしまい、異国から軍隊が攻めてくる。この時、神のごときリーダーが現れ、世の中を救い、人々も悔い改め、世の中は再び正しき方向に戻っていく。その間、人々は狂わんばかり苦しみを受けるが、安定した世になるまで期間は、百年もかかるだろう」
そしていよいよ、日本人の心が乱れて世の中が荒み切った頃、今度は未曾有の大厄災が日本を襲うのである。
地は大地震、水は大津波、火は火山の噴火あるいは原子力発電所の事故、もしくは太陽フレアのことかもしれない。風は竜巻やハリケーン等のことであろう。
もしかすると現在が、予言のこの部分にちょうどあたるのではないだろうか?
恐ろしいことに、この天変地異により日本の人口が半分になってしまうというのだ!
さらに外国からも侵略されるという。
だが、予言では神のごときリーダーが現れて、日本の危機を救ってくれると記されてある。
そして、やっと日本人は悔い改め正しき道に進むというのだ。
しかし、平安の世になるまで何と100年もかかり、その間は気も狂わんばかりの苦しみを味わうことになるというのである。
偶然にしても予言が現代社会とあまりにも一致していて、不気味である。
だが『をのこ草子』は、後世に作られた偽書ではないかという見解もある。
謎の予言書『をのこ草子』は、我々に向けられた警告書なのかもしれない。
(呪淋陀(じゅりんだ) 山口敏太郎事務所)