まずFX会社を選ばなくてはならない。現在130社を超えるFX会社がさまざまなサービスを競っている。昨年以降、株価の下落や為替相場の乱高下などを背景に、株取引経験者を中心にFXの人気が上昇。インターネット専業証券会社がFX分野のサービスを拡充しているため、競争はさらに激しくなっている。
FX会社を選ぶポイントには、(1)FX会社の安全性、(2)資産の保全、(3)手数料の値段、(4)システムの利便性と安全性、(5)2WAYプライスを表示しているか、(6)24時間取引とサポート対応、などがあげられる。
(1)FX会社の安全性は、かっては一部の悪質な業者が顧客の資産を持ち逃げし、詐欺問題が起こったこともあった。2005年の法改正により先物取引業者の登録が義務づけられたため、悪質な業者はほぼ排除された。しかし、せっかくFXで資産を作っても、その会社が破綻(はたん)すると回収不能になる可能性もある。資本金や資本系列など、会社の概要をチェックすることは重要だ。
(2)資産の保全は、(1)を念頭に資産の信託保全システムを導入している業者も増えている。この仕組みは、顧客から預かった資産(証拠金など)を業者の資産と区別するため、安全性の高い銀行の預託口座で管理保全するもの。会社が破綻しても、預託資産は保全される。
(3)手数料の値段は、手数料とスプレッドは、業者によって異なる。手数料+スプレッド=トータルコストと考え、安い業者がベストだ。
(4)システムの利便性と安全性は、業者ごとにシステムに違いがあるので、使いやすさや速さに、チャートや指標、投資アドバイスの充実しているかなど、わかりやすいものを選ぶということだ。
(5)2WAYプライスを表示しているか。2WAYプライスとは、買値と売値のことで、同時に表示していない業者は利益を上乗せしている可能性があるので要注意だ。
(6)24時間取引とサポート体制。FXは、日本時間で朝4時に開くウエリントン(ニュージーランド)市場に始まり、翌朝7時に閉まるニューヨーク市場まで24時間、世界のどこかの市場が開いているため、24時間取引が可能だ。したがって、24時間電話サポートを受けられる業者がいい。
以上の情報は、金融庁のホームページやFX業者の比較サイトで確認できる。業者によってはデモ画面があるので、実際に売買注文をシミュレートしてみるのも重要だ。
ロスカットして、証拠金の範囲の中で自動的に反対注文をする仕組みの確認をすることも忘れてはならない。FXは“売ったら買い”“買ったら売る“の1対の注文を終了させて決済になる。
FXに詳しい経済ジャーナリスト菅野進氏は、「FXの入門者にとって重要なのはまず業者選び。自分の目で確かめたり、先輩たちの意見を参考にして、慎重に選んでいただきたい」と強調する。
FX業者のサービスには各社各様の違いがある。いまは、業者はFX参加者を奪い合う、過当競争の状態。だから、じっくり探せば良心的なところを選べるはずだ。
24時間市場開設リスト(時間は日本時間)
ウエリントン(ニュージーランド) 4時〜12時
シドニー(オーストラリア) 7時〜16時
東京 9時〜17時
シンガポール 10時〜19時
バーレーン 14時〜23時
フランクフルト 15時〜1時
ロンドン 17時〜3時
ニューヨーク 22時〜7時