約40日後の内藤との“世紀の一戦”を控えた興毅は、現地では、内藤に背格好が似た右ボクサーと6日間で36ラウンド以上のスパーリングを予定している。「体作りの期間が終わって、あとは試合カンをつかんでいっていいイメージをもちたい。久しぶりやからいろいろ試したい」と対策に余念はない。
さらに、今回は新たなスパーリングパートナーのスカウト活動も兼ねている。
有能なボクサーを発掘した場合は、内藤戦の調整相手として呼び寄せるという。
フィリピンは国民的英雄ボクサーのマニー・パッキャオを輩出しており、東洋太平洋や世界ランキングにも名を連ねる選手は多い。
だが、その一方で同国では外国人を狙った犯罪が多いことでも知られている。
外務省のホームページによれば、犯罪が単位人口当たりの殺人事件発生率は日本の約10倍にのぼるという。
それだけではない。日本人を狙った睡眠薬強盗や、買春行為絡みの恐喝の被害なども頻発しており、外務省関係者も「風俗絡みのお店も多いので、日本人が現地でトラブルに巻き込まれてしまうケースもあります」と指摘している。
記憶に新しいところでいえば、2007年にお笑い芸人の長井秀和が美人局のトラブルで、1100万円の被害にあったこともある。
今回は単身でフィリピンに乗り込む興毅。「治安が悪い」と警戒しているが、もしかしたら内藤以上の“強敵”に遭遇する可能性があるかもしれない!?
◎史郎氏ライセンス再交付申請
また、この日は亀田プロモーションの社長、史郎氏が都内の日本ボクシングコミッション(JBC)を訪問。セコンドライセンス再交付を申請するための嘆願書及び、活動報告書を提出した。
史郎氏は2007年10月に行われたWBC世界フライ級タイトル戦で、次男大毅に対し反則を指示したとされ、JBCから同ライセンスの無期限停止処分を受けていた。
スーツにネクタイをきちっと締めた史郎氏は、亀田ジムの五十嵐紀行会長、大毅、三男の和毅とともにJBCを訪れ、この2年間で行ってきた福祉活動やチャリティー活動などの内容が記された報告書とセコンド復帰の申請を行った。同行した五十嵐会長によれば、史郎氏は「よろしくお願いします」と頭を下げたという。処分解除はJBCの倫理委員会で検討される。