開幕から不動のサード、クリーンアップの一角として機能していた宮崎は開幕から絶好勝で、打率.351と規定打席に達していればリーグ2位の数字。ホームラン3、打点9、フォアボールも10を数え、出塁率は.449と高く、OPSは1.063とチームに多大な貢献を続けていた。
そんな主軸打者を欠いてからは、9試合で3勝6敗、登録抹消されてからはわずか1勝と苦しい戦いを強いられている。
その間は4人のサブメンバーがスタメンでサードを任されているが、ブレイクダウンして見ていくと、倉本寿彦12打数1安打、田中俊太4打数1安打、田部隼人3打数ヒットなし、柴田竜拓11打数ヒットなしの上に、全員トータルで打点は0。出塁も柴田の1フォアボールを加算しても4回だけで、出塁率は.129とかなり厳しい数字が並んでしまっている。
しかし倉本も柴田もコロナ感染で離脱しており、体調や試合勘が戻っていない状況とも考えられそうで、今後上向きとなる可能性はもちろんある。ファームで奮闘中の伊藤裕季也や知野直人、成長著しい小深田大地らにチャンスを与える手もあるだろう。
2019年に宮崎が離脱した際は、それまでレフトが定位置だった筒香嘉智がサードに回り急場をしのいだが、今回のこのピンチはどう回避するのか。チームの底力が試されている。
写真・取材・文 / 萩原孝弘