柴咲コウを主演としたものの、井伊直虎という地味な題材のため話題にならず、しかも「女城主は存在しなかった」などの資料が次々に発見され、逆風吹きすさんでいる。ある局内関係者は「いまのところ、二桁を切るような危険水域とは言いませんが、決して楽観視できない数字。しかも、局内からも“つまらない”といった声が聞かれますし、今のうちに何とかしなければいけないのではと言われ始めています」。
その窮地を救う一策が高橋演じる小野政次の延命措置だ。「スタートから話題になっていたのが、三浦春馬と高橋一生の2人のイケメン俳優です。物語上、三浦は殺されてしまいましたが、そのときにはショックを受ける女性視聴者も多かったんです。それと同時に、高橋はいつまで出るかというのも話題になった」と同関係者。
残る高橋も史実でいうと、今川家に付いた政次が井伊家を乗っ取るものの、徳川家康から攻められる。物語の中盤辺りでは殺されてもおかしくない役どころだ。
だが、「高橋の人気を考えてもそうですが、いまの状況でさっさといなくなっては、視聴率の激減は火を見るよりも明らか。だからこそ、『何とか引き延ばしてくれ、高橋の露出を増やせ』という指令が密かに出たそうです。その兆候は出ていますけどね。16日に放送になった15話目でも、分かるとおり、本来、乗っ取りを図る悪役のはずが、むしろ直虎を守るために敢えて自分が悪役になるという“良い役”になっている。もともと資料の少ない題材で、ほぼオリジナル脚本ですから、その辺のさじ加減は何とでもなるようです」と同関係者は言う。
高橋をいつまで引っ張れるのか。大河浮沈のカギはここにあるようだ。
*写真 井伊直親役の三浦春馬