地球上で最も人間を殺している生物は何か? そんなクイズを出題されたとして、果たしてあなたは正解できるだろうか? ライオン、狼、熊、ヘビ、カバ…などなど危険生物が色々といるが、ここに挙げたものはすべて不正解。答えは、この雑学が示す通り「蚊」である。夏には毎年一度は刺されて痒みに悶えるあの蚊が1位? そんな疑問の声が聞こえてきそうな結果だが、実際に数字で見ると、これが悪い冗談でないことが分かる。マイクロソフトの創業者として有名なビル・ゲイツ氏が運営するブログサイト『ゲイツ・ノート』がまとめたランキング記事によれば、蚊が年間に殺す人数は約72万5000人。百獣の王と名高いライオンの年間100人を遥かにしのぐ驚異の殺害数であることが分かる。
もちろん察しの良い方はお分かりだろうが、蚊による死因の多くは、蚊が媒介する「マラリア」の病原体だ。サハラ以南アフリカや東南アジア、南アジアのほか、南太平洋諸島や中南米において多くの発生が見られる。先進国ではあまりメジャーな感染症ではないが、それでも全世界で旅行者が帰国してから発症する例も年間3万人程度はあるとされている。そのほか、近年話題のデング熱や日本脳炎など、蚊はさまざまな感染症を媒介するので、実は身近なようでいて注意が必要な生物なのだ。
しかし、意外な危険生物はこれだけではない。同じランキング記事を見てみると、4位には犬が入っており、なんと年間殺害数は2万5000人。ペットとしても愛玩される犬がまさかここまで人間を殺しているとは…少し距離を置きたくなる。5位はカタツムリとハエで年間1万人もの人間を殺しているという。カタツムリは住血吸虫症を引き起こす寄生虫の感染が原因で、ハエも蚊と同じく感染症の媒介による死者が多いようだ。逆に我々がすぐに思い浮かべる前述したライオンや、サメ(年間殺害数10人)といった危険生物は、トップ10にも入っておらず、むしろ人間に優しい生物なんではないかとすら思えてくる。
ちなみに、ランキングで蚊に続く2位に入ったのは我々人類。戦争や犯罪による殺人をカウントした結果だが、これはこれで何とも嫌〜な気持ちにさせられる話だ。