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石原知事が悪夢「都議会与野党逆転」阻止へ最後のお願い

 12日投開票の都議選各候補は10日、“最後のお願い”にそれぞれの選挙区を走り回った。しかし、最も走行距離を稼いだのはこの人かもしれない。「都議会与野党逆転」の悪夢に怯える石原慎太郎都知事(76)は、自民党候補を応援するため都内各地を駆けずり回り、人一倍汗をかいた。逆風を招いた麻生首相への恨み節も冴えわたった。

 帰宅ラッシュを迎えたJR蒲田駅西口。石原知事は「民主党という政党が理解できない。この政党を牛耳っているのが小沢一郎(代表代行)。みんな人がいいから忘れちゃってるけど、米国に言われるまま日本の商店街をダメにしたのが彼ですよ」などと力説した。鳩山由紀夫代表、菅直人代表代行をこき下ろすのも忘れなかった。
 この日は品川、大田、世田谷の各選挙区計5カ所を走破。午前中から応援演説に出張り、都庁で定例記者会見をこなし、また応援に出向いて夜遅くまで…と死に物狂い。告示日以降、連戦連夜の“救援”が続いている。知事自身の選挙を振り返ってもこれほどの過密スケジュールはなかった。

 都議会で知事を支える自民、公明両党で定数127の過半数に届かなければ議会運営はすんなりいかなくなる。会見では、そんな苦境に追い込んだ元凶をメッタ打ちした。
 「いまの総理大臣いろいろ問題あるからね」
 「思ったより打率が上がらないバッターだね」
 「1日でも長くやりたいんじゃないの?」
 自民党内にくすぶる総総(総理・総裁)分離案にも理解を示し、「次の自民党のリーダーはこの人だっていう旗を掲げたほうがマイナスが少なくなるんじゃないか。まあ、それ以上のこと言うと現職に気の毒だから」とフォローになっていないフォローをする始末。
 「(国政の)ヘンなあおりを都議会が食うのは論外。解散して総選挙を打つもっといいタイミングは前にいくつかあったと思う。それ狙って打たないと。彼(首相)だって射撃の選手なんだからさ。見送って、見送っているうちに的が飛んでいっちゃって、弾が届かなくなるんだよ」と、クレー射撃で五輪出場経験のある麻生首相をコケにした。
 逆風を肌で感じているからか、“麻生降ろし”を誘発するように怒涛の恨み節が口を突いて出た。地獄のロード最終日の11日も、6カ所ではしご演説する。

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