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韓国で巨人・李が横浜移籍報道

 今季で4年契約が切れる日本プロ野球最高年俸6億円の巨人・李承●(●は火へんに華)(イ・スンヨプ)に来季横浜移籍情報が流れている。1日付けの韓国紙「中央日報」が報じたことから注目されている。

 その内容は、渡韓中の張本勲氏が韓国球界関係者に「李が今季終了後に横浜へ行くという話を日本で聞いた」というものだ。張本氏は横浜球団の親会社であるTBSの専属評論家だけに、信憑性のある情報として、韓国メディアが報じたのは当然だろう。
 「中央日報」は、さらに張本氏、三星・宣銅烈監督の李へのアドバイスを伝えている。張本氏は「李は巨人では出場機会を与えられていないが、他球団に移れば、十分に技量を発揮できるだけの能力を持っている。ホームランバッターは3打席(凡退)の後でも本塁打を打つことができる。ひんぱんに(試合に)出なければいけない」と語り、李に移籍の勧め。
 李の古巣・三星の宣監督の方は、李の復帰を全面否定。その上で日本球界での出直しをアドバイスしている。「李が今のウチのチームにきてもプレーする場所がない。何年間も成績が残せなかったのだから、日本で移籍するにしても年俸ダウンを甘受して、その分は出来高を受け入れるべきだろう」と。

 韓国の国民的スーパースターとして日本球界入り、ロッテ、巨人でプレーしてきた李だが、韓国球界ではすでに過去の人扱いだ。「日本球界で成功して、最後はメジャー入り」というのが、李の描いていた野球人生だが、世の中、甘くない。
 厳しい現実を考えれば、張本氏、宣監督が勧めるように、日本球界で移籍して出直すしかないだろう。が、宣監督がズバリ指摘したように、年俸はいくらでもいいから一から出直す決意がなければ、拾ってくれる球団はないだろう。横浜は李にとってふさわしいチームの一つではある。巨人の投手コーチから監督に就任した尾花高夫監督が、「アナライジング(分析する)ベースボールで打倒・巨人」を掲げながら1年目の今季は赤恥をかいている。結局、チームは3年連続最下位独走となり、就任2年目の来季は、クビをかけた戦いになる。契約切れで巨人を解雇される李とタッグを組んで、巨人にリベンジすれば、横浜のファンに受けるだろう。
 ただし一つ大きな問題がある。ポジションだ。李がロッテから巨人へ移籍した大きな理由の一つは、「韓国で一塁しか守った事がないのに、ロッテでは外野を守らされた」という不満からだった。が、横浜には今季途中から入団して活躍、来季残留が有力で一塁しか守れないハーパーがいる。今季、外野から一塁に戻った内川が再び外野へ転向したのも、ハーパーが加入したためだ。となれば、李の横浜入りには、ポジションの問題が立ちはだかることになる。
 が、一から日本球界で出直す気持ちがあるのならば、ポジションのことなど言っている場合ではないだろう。一塁しか守れないというのでは、横浜に限らず、拾ってくれる球団はなかなか出てこない。自分から外野もやれますと自己アピールをするくらいでないと難しいだろう。もっとも、何もしないで巨人から年俸6億円、4年で総額24億円ももらったのだから、悠々自適な隠退生活を送った方が賢明か。

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