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西田隆維の映画今昔物語 第35幕 映画『マリー・アントワネット』

 <今日のテーマ>地位や名誉があっても…人間だもの

 女優、脚本家としても活躍するソフィア・コッポラが監督した2006年の米国映画です。王妃マリー・アントワネットの人生を描いた伝記映画で、主演はキルスティン・ダンスト(愛称はキキ)で映画『スパイダーマン』にはヒロイン役で出演しています。スパイダーマンの時とは全く別人で凄く品があり、キュートな笑顔が印象的でした。

 マリー・アントワネットはオーストリアとフランスの同盟強化の策として、フランス王室のルイ16世のもとへ14歳で嫁ぎ、そして18歳で即位!! 
 しかしながら、ルイ16世との夫婦生活は同じベッドに寝ていても全くないのです。そこでマリー・アントワネットはルイ16世に様々な工夫をして誘惑しますが、ルイ16世は全く興味をもちません。それはマリー・アントワネットに興味を持たないのではなく性的欲求が希薄なのです。
 世継ぎがなかなかできないマリー・アントワネットに対して周りからは陰口を叩かれようになり、さらに故郷の母からも世継ぎの催促の手紙が来てしまいます。

 やがてマリー・アントワネットはギャンブルやパーティに明け暮れ、豪華なドレスをどんどん購入して派手な浪費生活を重ねて行きます。それと同時に色鮮やかなスイーツ類の映像も多彩に楽しめます。
 私にはドレスの映像を観てもどれも同じように見えてしまうのですが、スイーツの映像はかなり楽しめます。色鮮やかなマカロンが丁寧に積んであり、次々に変化していくスイーツの映像はどれもCMを観ているようで楽しめます。
 そんな派手な浪費生活も米国の独立戦争の援助をきっかけに国の財政が厳しくなり、民衆は飢餓に苦しむこととなります。その非難はマリー・アントワネットにも向けられます(日本でも税金の遣い方が無駄に遣われたりしたら怒りますよね!!)。そして、民衆はベルサイユ宮殿を襲撃します。この襲撃の描写は、アッという間でした。

 この作品ではマリー・アントワネットに地位があり、貴族の優雅で豪勢な遊びを楽しみながら豪華なドレス購入し、甘いスイーツを食べる。そして陰口を叩かれれば一人で悩んでしまいます。普通の少女が贅沢をしている光景は、地位や名誉があっても感情もあり欲もある同じ人間がやっているということを感じずにはいられませんでした。

<作品プロフィール>
監督・脚本/ソフィア・コッポラ

出演者/キルスティン・ダンスト ジェイソン・シュワルツマン ジュディ・デイヴィス ジェイミー・ドーナン

<プロフィール>
 西田隆維【にしだ たかゆき】1977年4月26日生 180センチ 60.5キロ
 陸上超距離選手として駒澤大→エスビー食品→JALグランドサービスで活躍。駒大時代は4年連続「箱根駅伝」に出場、4年時の00年には9区で区間新を樹立。駒大初優勝に大きく貢献する。01年、別府大分毎日マラソンで優勝、同年開催された『エドモントン世界陸上』日本代表に選出される(結果は9位)。
 09年2月、現役を引退、俳優に転向する。10年5月、舞台『夢二』(もじろう役)でデビュー。ランニングチーム『Air Run Tokyo』のコーチも務めている。

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