――『黒い薔薇』が発売されましたが、自叙伝を書こうと思ったきっかけは?
「もちろん、出版社の方からお話をいただいたところからスタートしたんですけど、実は、私のママが過去に家族崩壊をテーマにした自叙伝を書いていたんですね。結局、その自叙伝は出版されることはなかったんですが、ママが書いた私の幼少期の家族崩壊の話と、私が体験した芸能界の話をまとめてみたら面白いんじゃないかってことになりまして…。なので、この『黒い薔薇』は私の自叙伝でもありつつ、ママの視点もかなり入っているんです」
――お母さんも濱松さんに負けず劣らず、スゴい経験をされているそうですね。
「本の中でも書いていますけど、芸能人の方とも色々付き合っていますからね(笑)。というのも、私が子役時代の時はマネジャーとしてママが現場に付いてきてくれていましたから、現場で知り合って関係を持った人も多いみたいです。私が特に記憶にあるのは、Mさんかな。Mさんは私がバラエティー番組に出演している時に司会をされていた方で、番組の収録が終わって家に帰ると、なぜかMさんが私の家にいる…みたいな(笑)。まぁ、当時は私も5歳くらいだったので、普通に、Mさんは家に遊びに来てくれているんだと思っていましたけど。小学校の高学年くらいになって、いろいろと感づきました(笑)。あと、家によく来ていたのはダンディー俳優のTさん。Tさんとはドラマで共演させてもらっていまして、当時、私は小6くらいだったので、『さすがにうちのボロアパートにTさんがいるのはおかしいぞ!?』ってことには気付いた(笑)。ママの部屋からイヤラシイ声が聞こえてきたので、『そういうことなんだ』って理解しました(笑)」
★芸能界はヤリマンの女ばかり
――お母さんの話も驚きですが、自叙伝の冒頭から芸能界の衝撃の裏側が描かれていますね。
「枕営業の話ですよね。そのシーンを読んだ方からは官能小説だって言われますけど(笑)。芸能界の枕営業をちょっとリアルに書かせてもらいました。あ、最初に言っておきますが、私自身は枕営業って一度もしたことないですからね。枕営業をする、しないって所属している事務所にもよるんですよ。だから、やっている人はやりまくっていると思います。私が芸能クラスのある高校に通っていた時から、すでにそういう話は聞いていましたし…。その高校では芸能クラスの女の子たちが学食に集まって、『昨日は◯◯◯に枕をしに行かされてさ』とか普通に喋っていましたから(笑)。私は経験がなかったから、『よくオヤジとヤレるね』って引いていたんですけど。そのあと、私がテレビのビジュアルクイーンになった時も、4人メンバーがいたんですが、そのうちの1人が事務所からの差し金で頻繁に枕に行かされていて、休憩中にいつもそのことを愚痴ってましたもん」
――枕営業というのは拒否できないものなんですか?
「う〜ん、もちろん、仕事を得るために断れないって部分もあると思いますが、基本的に芸能界にいる女の子たちってセックスくらいどうってことないって感覚の子ばっかりですから。高校時代の芸能クラスの女の子たちなんて、みんな“穴友達”かってくらい遊んでましたし、誘われれば、すぐ寝ちゃう子ばっかりですから(笑)。特にアイドルのKなんて13歳の時から知り合いですけど、彼女は知り合った当初から男遊びが激しくて、枕も相当やっていたみたいです。私は彼女から酒と煙草も教えてもらったし。まぁ、芸能界なんてそういう貞操観念というか、ヤリマンの女ばっかりだから、枕営業にそこまで拒否反応を示す人もそんなにいないと思いますよ」
――そんな環境の中にいて、よく濱松さん自身は枕営業をしませんでしたね?
「さっきも言った通り、そこは事務所によるところが大きかったと思います。私が高校に入った頃は、大手事務所の系列でしたから、そういうことをする必要もなかったんだと思います。ただ、一度だけお願いされたことはありました。私が事務所を移籍するってなった時に、某X事務所から会いたいって言われて行ったことがあった。そこの社長から『君、僕と寝れる?』ってダイレクトに誘われましたね(笑)。その時、私は芸能界にだいぶ興味を失っていた時期だったので、『ふざけんじゃねぇよ』って出てきちゃいましたけど、X事務所はヤバかったです。『あそこのタレントはみんな枕してる』って結構いろんなところで聞きますし」
――特に、この女優さんやタレントさんは枕で有名って方はいましたか?
「Fさんなんかは誰とでも寝れるっていう話はよく聞きましたね。Fさんのことは私もよく知っていて、すごくいい人だし、綺麗なお姉さんなんですけど、寝る相手には見境がないっていうか(笑)。格闘家のAともずっと不倫していたし、Iさんとも一時不倫していた。『本当に誰とでも寝るんだ』というのは、私も間近で見ていて感じました。あと、噂話をよく聞いたのはMさんですね。私、一時期、野猿のメンバーの1人と付き合っていたことがあって、その人から『Mさんは(お笑いコンビの)Tさんとか番組のスタッフともヤリまくってるから、ああいうふうにはなるな』って言われましたもん。清楚なイメージで売ってますけど、仕事を取るためなら出演者でもスタッフでも構わず寝るらしいです」
――枕営業というとプロデューサーや社長が相手というイメージですが、タレントさん相手に枕営業する人もいるんですね。
「力というか、冠番組を持っている人は大抵やっているんじゃないですか。今はお笑い芸人が力を持っていますから、Sさんもそういう噂が絶えないし、お笑いコンビDのHさんもヤリまくっているってよく聞きます。枕を拒否する女の子には、『俺と寝ないと干すぞ』って言ってくるらしいですね。お笑い芸人って世間からのイメージがかなりいいと思いますけど、裏では相当、悪いことをしてますよ」
★タレントは事務所の奴隷です
――そんな世界に長年いらっしゃいますが、改めて芸能界をどう思われますか?
「闇ですね。30年以上この業界にいますけど、いまだに、闇というか真っ黒な世界だと思います。この業界には本当に嘘つきが多いですし、力を持っている人は誰でも言いなりにできると思っている。特に芸能事務所の社長とか。私はそれに逆らってきたから、正直、この世界が好きではないですし、いつやめてもいいと思っているくらいです」
――やはり、芸能界は事務所の力が絶大ですか?
「圧倒的だと思います。事務所の人間は、『お前らは俺らのおかげでテレビに出られるんだぞ』、『お前らは俺らのおかげで人気者を気取っていられるんだぞ』って態度の人ばっかりですからね。本当にゲンナリします。でも、ほとんどの女の子たちは、それに『はい、そうですね』って従っちゃうから、いいように利用されるんです。事務所の中では、タレントってスタッフやマネジャーより下の立場ですからね。たとえば、映画を降板したってなったら、タレントが賠償金を払わなければならなかったりするし、奴隷そのものですよ」
――これから、芸能界を目指す女の子たちに何か言いたいことはありますか?
「やめた方がいいよって言いますね(笑)。それでもどうしても芸能界に行きたいなら、『誰とでも寝れる覚悟はしておきな』と。本当に芸能界は闇だし、精神を壊しますから。それを理解した上で、それでも入りたい人は『頑張れば?』って感じですね(笑)」
――濱松さんは今後どんな活動を予定していますか?
「この本にも書いてあるんですが、私、結婚するんですよ。それで、旦那は家庭に入ってほしいって言っていて、私自身もこれ以上芸能界でやりたいこともないですし…。とりあえず、気が向いたら子作りをすることくらいですかね(笑)」
濱松恵
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はままつめぐみ=1983年1月23日生まれ。T160、B89・W60・H83。2歳でデビュー。NHK大河ドラマ『八代将軍吉宗』、『秀吉』などに出演。2017年7月20日に写真集『BEYOND THE LIMITS』(講談社)、今年8月10日には自叙伝『黒い薔薇』(サイゾー)を発売した。