これで、白鵬は大鵬がもつ史上最多優勝回数に並び、歓喜の涙を流した。来たる、来年1月の初場所(両国国技館)では、前人未到の新記録樹立を目指す。
そんななか、鶴竜は12勝3敗、休場明けの横綱・日馬富士(30=伊勢ヶ浜)は11勝4敗で、なんとか面目は保ったが、あまりにもふがいなかったのが大関陣だ。
名古屋場所(7月)、秋場所(9月=両国)と2場所連続で9勝6敗に終わっていいた稀勢の里(28=田子ノ浦)は、11勝4敗で3場所ぶりに2ケタ勝って格好をつけたが、豪栄道(28=境川)と琴奨菊(30=佐渡ヶ嶽)がボロボロ。
大関2場所目の豪栄道は12日目で早くも負け越して、5勝10敗の惨状。来場所は初のカド番を迎える。
名古屋場所で、大関昇進後、自己最高となる12勝を挙げ、復活の兆しを見せていた琴奨菊は6勝9敗で、4度目のカド番となる。
2大関が15日皆勤して負け越すのは、00年名古屋場所での雅山(二子山親方)、武双山(藤島親方)以来、実に14年ぶりの不名誉な記録となった。
この失態について、北の湖理事長(元横綱)は、「幕内上位や三役と力が紙一重。よほど腹を据えて力を示さないと、同じようなことが起こる。ダメだね」とバッサリ切り捨てた。
特に深刻なのは、昇進後、8勝7敗、5勝10敗と不振の豪栄道だ。2ケタ黒星を喫したのは、新小結となった11年名古屋場所以来、3年ぶりだが、さすがに大関が2ケタ負けるのは問題だ。こうなってしまうと、やはり、「昇進させるのが早すぎた」と言われても仕方あるまい。
来場所、カド番となる豪栄道、琴奨菊が意地を見せてほしいものだが、力がなければ、その地位から陥落するしかない。
(落合一郎)