文化放送がフジテレビのアナウンス担当局長を務める福井謙二アナ(59)をヘッドハントした。同局が来年4月1日にスタートさせる朝ワイド『福井謙二 グッモニ』(月曜〜金曜、午前7時)のパーソナリティーに決めたのだ。
福井は来年9月にフジを定年退社することになっているが、半年前に移籍することになる。
当の福井は「しゃべる茶柱を目指す」と言う。フジと資本的なつながりがある(文化放送はフジ・メディア・ホールディングスの3.3%の株式を保有)文化放送とはいえ、フジの重鎮アナが文化放送のパーソナリティーへ転身するケースは例がない。
「逆のケースはある。'79年に文化放送のアナウンサーだったみのもんたがフリーになり、フジ系『プロ野球ニュース』の担当になった程度」(芸能界事情通)
文化放送は、福井で聴取率首位(目下3位)を目指すというが、どこまで期待できるのか。
福井はアナウンス室専任副部長から専任局次長、室長、担当局長兼室長、担当局長と出世街道を歩んできた。だが、フジ時代で知られた番組は『プロ野球ニュース』『料理の鉄人』ぐらいだ。
「どちらかというと地味なキャラですね。写真を指して、この人が福井アナ、と言われない限りわかりません」(フジアナウンス部関係者)
このあたりに、文化放送三木明博社長の焦りと戸惑いが感じられる。
AMラジオ業界は仮に聴取率を上げても、売り上げにつながらないのが実情。そのせいか同局は'13年3月期の中間決算で約8000万円の経常赤字を出した。そのためあらゆる角度からビジネスを見直し、多角化に入っている。
たとえば、映画『タニタの社員食堂』に出資、有楽町で飲食業界に進出するなど積極的である。
さるAMラジオ関係者がこう語る。
「今、一番面白いのがAMラジオなんですが、若い聴取者がつかない」
他のAMラジオ局との合従連衡の足音が聞こえ始めている。