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突然目に黒い幕が下りたら『脳梗塞』の前兆を疑え!

 一過性脳虚血発作は、脳梗塞の前触れともいえる病気。目の前にカーテ ンが下りるような視野障害が特徴で、突然幕が下りたように目が見えなくなる――。こんな症状が表れたら要注意。「一過性黒内障」の恐れがあるという。

「視力が回復しても、すぐに総合病院の神経内科や脳神経外科を受診すべきです」
 こう警告するのは山梨大学名誉教授の田村康二氏だ。

 一過性黒内障は、頸動脈から枝分かれした眼動脈に血栓が詰まることで起こる。眼動脈は左右の目にあるが、両方が同時に詰まることは珍しく、多くの場合、片方の目にだけ症状が表れる。

「血管が詰まる原因は、長年の不摂生による高血圧、糖尿病、脂質異常症などによる頸動脈の動脈硬化が最も多い」(同)

 動脈硬化を起こしている血管の内側には、脂肪や血栓が溜まっている。その血栓の一部が剥がれ、脳に向かって流れて行く先の一つに眼動脈があるという。ただ、剥がれ落ちる血栓は非常に微細でもろいため、眼動脈をふさいでも、すぐに溶けて消失することが多い。そのため血流が阻害されるのも一時的で、目の症状も、すぐに解消することが多いというのだ。

「目が見えなくなるといった症状が出た場合、二つの可能性が考えられると思います。一つは網膜そのものの異変で、網膜剥離などが進んでいるケース。もう一つは脳梗塞の前兆です。一過性脳虚血発作を放置しておくと、15〜20%の人が3カ月以内に脳梗塞を発症します」(同)

 早い人は48時間から数日以内に脳梗塞を起こしてしまうとの報告もあるが、逆に言えば、この段階で総合病院に駆け込めば、脳梗塞の一歩手前で対処できる。

 家系的に脳梗塞が多いという人にも予防策はある。

「血栓ができやすい体質だとしても、食生活を工夫することで、血中のコレステロールや中性脂肪は抑えられます」(同)

 このように脳と目は密接に関わりあっている。もう一度言うが、一過性黒内障というのは、脳梗塞の前触れといわれている危険なサインなのだ。

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