ウェストミッドランズ州のダドリーに住んでいるサリー・アンさんはいわゆる「ゴミ屋敷」の住民だという。2年間、蓄積された大量の汚れた紙皿やゴミは床から天井に向かって高く積まれ、無数のウジがわいている状況。しかも彼女は猫を飼っており、猫の排泄物も放置されていたという。大量のゴミやたまりにたまった猫の排泄物のせいで足の踏み場もなくなった結果、ついにトイレまでたどり着くことさえできなくなった彼女は、ボトルに排尿するまでになってしまったそうだ。
近所住民の苦情もあり、自治会から呼ばれた清掃業者が6日間かけて片付けを行い、サリーさんは今までゴミであふれていたベッドルームに入ることができた。
同記事によると、「ため込み症」はイギリスで約120万人存在するといわれている。彼女は母親の死と、父親の世話で苦労し、そのために物が捨てられなくなってしまったという。そのせいで「地獄の住居を作ってしまった」と振り返ったという。
同記事によると、その後サリーさんは18カ月治療カウンセリングを受けたが、残念ながら効果はなかった。またゴミをため込んでしまい、またもや清掃業者が4日かけて家をきれいにしたそうだ。
ネットでは「気持ち悪い」「怠惰なだけ、助ける事はない」「猫がかわいそう…」と、否定的なコメントが多く見られたが、「精神疾患だからきちんと治療を続けたほうが彼女のため」「病気との考え方もあるのか」「この先、誰か面倒みないと」などサリーさんをおもんばかる書き込みも見られた。
ゴミ屋敷がもたらしたニュースはまだある。
イギリス・リンカシャー州のグリムズビーで、ゴミ屋敷に住み、ネグレクト(育児放棄)同然の母親から5人の子供たちを救おうと祖母が立ち上がった。ニュースサイト「メトロ」などが今年3月に報じた内容によると、母親の実母で子供たちの祖母に当たる人物が、家の惨状を児童福祉局に送った。さらに地元メディアにも公開し、孫が置かれている窮状を訴えて助けを求めた。
新しい恋人に夢中の母親は、妊娠中ではあったが一日中遊び歩くこともしばしばで、1、2、4、6、7歳の子供たちの面倒は実父に任せっぱなしだったという。祖母によって公開された部屋は、おもちゃ、ペットボトル、汚れた衣類などが散乱していた。祖母いわく「子供たちはシャワーを浴びることも歯磨きをすることもまれで、満足に食事も与えられていない。孫たちも私と一緒に暮らしたいと言っている」と訴え、母親に代わって親権を取得したいと希望した。
一度は福祉局から祖母の家に連れて帰ることを許可されたが、数日後には母親のもとに子供たちを帰すように連絡が入ったという。その後、この件は州議会で調査されているそうだ。
アメリカではゴミ屋敷ごと燃やしてしまう豪快な事件があった。
「WANDTY.COM」などが2010年11月に報じたところによると、「事件」はアメリカ・イリノイ州のパナ市にある空き家で起きた。所有者不明の家屋には洗っていない食器や、食品が大量に置き去りになっており、ゴキブリが大量発生。近隣住居に侵入する事態になり、市も殺虫剤や補虫器を使って駆逐を試みたものの効果がなかったそうだ。最終手段として、市は家ごと燃やすことを決断。結果、近隣からゴキブリは消え、大成功に終わったという。
日本でも問題となっている"ゴミ屋敷"。悪臭や火事の心配も尽きないこの問題は、自分の家の隣に突然現れる可能性がある。自分から避けられるケースではないだけに、なおさら怖いものだ。
記事内の引用について
Extreme hoarder lived with maggots, cat poo and had to urinate in bottles「The Daily Mirror」
https://www.mirror.co.uk/tv/tv-news/extreme-hoarder-lived-maggots-cat-16174657
Mum living in squalid home 'reeking of faeces' with FIVE kids admits her shame「metro」
https://theworldnews.net/gb-news/mum-living-in-squalid-home-reeking-of-faeces-with-five-kids-admits-her-shame
Pana Roach House Burned Down「WANDTY.COM」
https://www.wandtv.com/news/pana-roach-house-burned-down/article_3f07bcb2-0789-5bce-b760-c84f88bdaa03.html