好調ベイスターズの勝ち頭をご存じだろうか。答えは京山将弥。滋賀・近江高からドラフト4位で入団した2年目右腕。ルーキーイヤーの昨年は、”特別強化選手”に指名され、イースタンリーグでチーム唯一の規定投球回数に達し、6勝6敗の成績を残した。そんな京山が、チームの台所事情もあり開幕からローテーション入り。4月1日のヤクルト戦で、5回1失点の好投。デビュー戦で2018年チームと自身のW初勝利を挙げた。続く8日、敵地での広島戦は、5回2/3を無失点で見事な2勝目。15日には本拠地で中日を相手に、5回2/3を1失点で3連勝を飾る。防御率も1.10で投手部門二冠。(17日現在) 期待以上の大活躍を見せている。
☆同級生のBIG4は…?
2016年のドラフトは「投高打低」と言われた。特に横浜高・藤平尚真(楽天1位)、履正社・寺島成輝(ヤクルト1位)、花咲徳栄・高橋昂也(広島2位)、作新学院・今井達也(西武1位)の甲子園を沸かせた4投手は「BIG4」と呼ばれ、注目を集めた。実際4人とも2位指名までで名前が消えていた。
プロ入り後はどうだろう。
藤平はルーキーイヤーの昨年3勝を挙げ、今年も1軍で活躍中。150キロのストレートを武器に、順調に成長している。
寺島はプロ入り直後から故障に悩まされ、去年の9月に1軍デビュー。(勝ち負けつかず)今年はファームで開幕から、順調に登板している。
高橋は去年ウエスタンリーグで好投を続け、ファーム日本選手権でも先発するなど活躍。今年は4月4日に1軍先発デビューを果たした。(勝ち負けつかず)
今井はプロ入り後、数回の右肩故障に見舞われ苦しいルーキーイヤーとなってしまう。2年目は飛躍したかったが、文春砲により喫煙が発覚。現在もペナルティでユニフォームを着用できていない。
☆サンデー京山
プロは入ってしまえば、順位は関係ないとはよく聞く言葉だ。
まだプロ入り2年目なので時期尚早だが、現時点で輝いているのは京山。京山の武器は制球力だが、ストレートの質も抜群にいい。スピードは時速140km台前半だが、スピンの効いたストレートを、インコースに投げ込み、外国人をも詰まらせる。だからこそよく落ちるチェンジアップも効果的だ。
「チームの連敗を、自分が止めようと試合に臨んだ」これはプロ初登板の4月1日のコメント。実は19歳京山の最大の武器はこの「ビッグハート」なのかも知れない。
これから去年のローテーションピッチャーが、戦列復帰を果たしてくる予定だが、日曜日ごとに登坂する「サンデー京山」の座は簡単には奪えなさそうだ。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘