初戦は7-1の楽勝ムードから一転、継投ミスも絡みまさかの大逆転負けを喫したベイスターズ。3戦で2勝すれば勝ち抜ける短期決戦において、ペナントレースでも8勝16敗1分けと大の苦手とするタイガースに初戦を取られたことは、かなり大きな痛手となったが、ラミレス監督は試合後、「後悔することはない。起こり得ること」と第2戦へ前を向いた。
負けたら終わりの2戦目は、初回から先頭の神里和毅、ホセ・ロペスらが闘志を剥き出しにしチームを鼓舞。キャプテン・筒香嘉智にもホームランが飛び出し、序盤に3点をリードし試合を優位に進める。しかし、波に乗るタイガースは、真綿で首を閉めていくような攻撃でベイスターズ投手陣を追い込み、回跨ぎのクローサーの山崎康晃から9回2アウトの崖っぷちで、福留孝介がまさかの同点弾。試合は振り出しに戻り、横浜スタジアムは異様な雰囲気に包まれた。
そんな状況を切り裂いたのが代打・乙坂智。難攻不落の左腕・岩崎優から、価千金の一打をライトスタンドへ突き刺し、3時間50分の死闘を制した。
この日の6得点中、5点はホームランで挙げた得点。投手リレーも三嶋一輝、エスコバーらを投入し、いわゆるベイスターズらしい野球で勝利を手にした。
運命の3戦目に向けて、指揮官は「康晃も20球程度でそんなに投げてはいない。(CS連投している)今永も休もうと言っても行くと言ってくれるだろう。(5日先発した)石田も一緒。日にちを置くと肩が錆び付くエスコバーも行かせるつもり。2イニングもあり得る」と、総動員を示唆。
ラミレス監督は「とにかく打つこと」を重要視している。言葉通りシーズン中は湿りがちだった打線は、2戦で13得点を挙げるなど好調をキープしている。とにかく点を取り、投手陣も万端の準備で戦い抜く構えだ。スタンドを真っ青に染めるファン、そして横浜の街と共にベイスターズは戦う。王者ジャイアンツの待つ東京ドームへ乗り込むために。
写真・取材・文 / 萩原孝弘