『Road to TOKYO DOME』
▽20日 東京・後楽園ホール 観衆1,712人(札止め)
「今の俺はどこかな?今の俺は東京ドームに向かってどこだ?どこにいる?気づいたよ!どこにいたって全力を出す!鷹木(信悟)にこういう勝ち方しか出来なかったとしても、しっかり!しっかり、ついていってやるから!」
新日本プロレス年内最終シリーズ『Road to TOKYO DOME』東京・後楽園ホール大会3連戦初戦が行われた19日の試合後、棚橋は魂の叫びをバックステージで吐き出した。この日は飯伏幸太とのタッグで、内藤哲也、鷹木信悟と対戦。『レッスルキングダム14』1.5東京ドーム大会で対戦する可能性がある飯伏と内藤の前哨戦だったが、棚橋が捕まり、特に鷹木のパワーにかなり苦しめられた。だが、最後は起死回生のフォーリン・ラブ(高角度前方回転エビ固め)で大逆転勝ち。7割相手の技を受けて3割の力で勝つのが棚橋のプロレスなのだが、この日に関しては2割に近い1割台で勝った試合だっただけに、本人からこんなコメントが出るのも無理はない。
しかし、2日目となるこの日は、飯伏とのタッグで、ジェイ・ホワイト&チェーズ・オーエンズと対戦。飯伏は前日に続いて、1.5東京ドーム大会で対戦する可能性があるジェイとの前哨戦となり、ジェイに「お前は黙ってろ」と、邪魔者扱いされた棚橋だったが、何か吹っ切れたのか、最後はオーエンズから必殺のハイフライフローでカウント3を奪取。この日に関しては完勝と言ってもいいだろう。
棚橋と1.5東京ドーム大会でシングル初対決を行うクリス・ジェリコは、この3連戦でビデオレターを送るなど何だかのアクションを見せると思われたが、ノーリアクション。棚橋とジェリコが奏でるプロレスは、ジャパニーズプロレスの中にしっかりとしたアメリカンプロレスも宿っているだけに、今回は余計な小細工はいらないとジェリコが判断した可能性はある。
2020年、何度も這い上がり続けた男は「諦めず」再び頂を目指す。実はジェリコもケニー・オメガ、内藤、オカダ・カズチカに負けても這い上がって来ているのだ。棚橋もきっとやってくれると信じたい。
(どら増田)