新日本プロレスのIWGPヘビー級チャンピオン、オカダは愛知県代表として田村淳(ロンドンブーツ1号2号)、楢崎正剛(サッカー)、藤井聡太(将棋)、赤星憲広(野球)、天野ひろゆき(キャイーン)、宇野昌磨(フィギュアスケート)、松井玲奈(女優)、天野浩(ノーベル物理学賞)らとともに選出。オカダが聖火を持って走るのは4月7日に決定した。プロレス大賞MVPを獲得した今年は、ラグビーワールドカップや、バレーボールのワールドカップが日本中を熱狂させたことに刺激を受けたという。「プロレスももっと盛り上げなきゃいけない」とプロレス界の代表としての責任感も強く、今回の聖火ランナー選出は、オカダにとってプロレスを大きくアピールするチャンスになりそうだ。
プロレス界の“リビングレジェンド”W-1の武藤は、三遊亭小遊三(落語家)、大村智(ノーベル医学・生理学賞)、宮沢和史(歌手)らとともに山梨県代表として選出された。今年、人工関節を入れた手術により、長期欠場していたが見事にカムバック。もうムーンサルト・プレスを見ることは出来ないが、武藤として、化身のグレート・ムタとして、各団体のビッグマッチに出没し、話題を振りまいている。膝の手術を克服した武藤は、世界を股にかけて結果を残している貴重なレスラーなだけに、今回の選出は妥当と言えるだろう。
そして、糖尿病による右足切断を余儀なくされたベテランのプロレスラー谷津は、田臥勇太(バスケットボール)、U字工事(芸人)、平野早矢香(卓球)らとともに栃木県代表で選出された。今回の聖火ランナーは、冷戦時に日本がやむを得ずボイコットした1980年のモスクワオリンピックに出場予定だった選手を出そうという動きがあり、アマレスの日本代表だった谷津はモスクワオリンピックで金メダル確実と言われる逸材だった。新日本に入団した際も“幻の金メダリスト、プロレス転向へ”と騒がれたものだ。国内デビュー戦が、当時プロレス会場では日本武道館と並ぶ大会場だった蔵前国技館(現在は両国に移設)のメインイベントで、アントニオ猪木とのタッグ。対戦相手がスタン・ハンセン&アブドーラ・ザ・ブッチャーであったことからも、当時どれだけ注目されていたのかが分かる。その後、同じアマレスでオリンピックに出場したジャンボ鶴田(故人)と「五輪コンビ」を結成しており、右足は切断してしまったが、義足を使ったリハビリを続けており、聖火ランナーという目標が出来たのは、本人にとって嬉しい一報だったはずだ。
また、元プロレスラーで、RIZINの高田延彦統括本部長も、のん(女優)とともに岩手県から選出されている。
他の格闘技からは、有力視されていた井上尚哉(ボクシング)、那須川天心(キックボクサー)が選ばれなかった。プロレスラーには格闘技界を背負って聖火を持って走って欲しい。
※敬称略
(どら増田)