10月28日の町田ゼルビア戦に2−0で勝利、これで9試合に渡り負けなし。9月・10月の2か月間では、5連勝を含む7勝2分けの成績を記録し、J2リーグを席巻している。
シーズン中盤までの不調から一転、いまや手がつけられないほどの勢いで強さが増しつづけている。そして勝利のシーンは何人もの主役たちによって彩られてきた。
■ベテラン、若手がひとつになって
ここ2か月の間、勝利した7つのゲームでは多くのプレイヤーから劇的なゴールが生まれている。
5連勝の始まりとなったホームでのFC岐阜戦、5対0の勝利の立役者はハットトリックを達成したFW河田篤秀。アルビレックス新潟シンガポールから移籍2年目、チームのエースとして挑むも、低迷が続いた今シーズンの鬱憤を晴らすような鮮やかなゴールラッシュを繰り広げた。
続くツェーゲン金沢戦では、後半ロスタイム、18歳の本間至恩のゴールで接戦に決着をつけた。アウェー水戸ホーリーホック戦は、矢野貴章が倒れこみながら決勝点を奪い、さらに敵地に乗り込んでのファジアーノ岡山戦でも、終了間際の後半44分、中盤との好連携からFWターレスがゴールに突き刺している。10月最初の試合、ホームでのカマタマーレ讃岐との一戦では、ベテラン田中達也の右足から生まれたゴールで追いすがる讃岐を振り切った。
■真の強さを取り戻したその先に
引き分けを挟み迎えた10月21日の京都サンガ戦、後半早々のセットプレーを今季途中加入のカウエが頭で押し込む。さらには試合終了直前、MF戸嶋祥郎が長いドリブルから6人をかわして驚愕のゴール。もはや敵地だろうと、新潟が主導権を握りどこからでもゴールが生まれる、そんな雰囲気さえ伝わってくる試合展開だった。
そしてホームに町田を迎えた先日のゲームでは、渡邉新太が2得点を叩き出し、デンカビッグスワンスタジアムに歓喜を起こす。リーグ3位につける町田を粉砕したのは、チーム最多となる10ゴール目を挙げたルーキーだった。
負け知らずの9ゲームにおいて、相手にリードを許した試合はただの一つもない。それ故、控え選手を含め多くの選手に自信が感じられ、劇的なまでに生まれ変わったアルビレックス新潟は残り試合も全て勝利を手にするべく、未来へと繋がる戦いに挑む。
とある試合後、選手のコメントからこんな声が聞こえた。
「(他のチームが)今の我々に勝つことは決して簡単なことではない」
その言葉はきっと本当だ。(佐藤文孝)