同番組は過激なネタを数多く放送しており、監禁された芸人が仲間を身代わりに呼び出す企画では、マテンロウの大トニーがマジギレする場面も見られた。だが、90年代にはこの番組以上に過激な番組が存在した。それが『進め! 電波少年』(日本テレビ系)である。
「『電波少年』はアポなしロケがウリの番組でしたが、のちに若手芸人が活躍する無茶振り番組となります。有吉弘行は猿岩石時代に香港へ連れてこられ、その場でユーラシア大陸横断ヒッチハイクへの挑戦を命じられました。次の南北アメリカ大陸横断ヒッチハイクにチャレンジしたドロンズは、番組の前説の途中に『カンペ』で企画を知らされ、そのまま南米行の飛行機に乗りました。これは実質的な“連れ去り”といえるでしょう」(放送作家)
また、『電波少年』では「連れ去り」ばかりではなく、「軟禁」も存在した。
「『水曜日のダウンタウン』の“縛りルール”に近い企画といえば、兄弟番組の『雷波少年』で行われた『熱狂的巨人ファンシリーズ』でしょう。マンションの一室で巨人ファンの芸人が応援をしながら、勝てば食事支給かつ連勝で内容が豪華になり、一方で負ければ飯抜きという企画です。電気と水道も止まるのでトイレもままなりません。さらに、優勝するまで顔は隠されたままであり、芸人にとっては厳しいルールでした」(前出・同)
「電波少年」においても、路上での連れ去りシーンはあったが、その場合は「仮面ライダー」のショッカーが登場することで笑いに変えていた。こうした遊び心もバラエティ番組作りには必要といえるだろう。