A:近年、医療業界や美容業界で、「抗酸化」「酸化・還元」「活性酸素」などという言葉が注目されています。中でも、水素水に関連する話題が増えている感があります。
水素水は、文字通り「水素が溶け込んだ水」です。水素水は強力な還元物質であり、抗酸化力ないし還元力が優れているということから注目され、健康によい水として利用されるようになりました。では、なぜ水素水は体によいのでしょうか。それには「活性酸素」が関係しています。
活性酸素とは、相手の物質を酸化する力が強い物質のことで、体内に過剰にあると正常な細胞を傷つけてしまいます。過剰な活性酸素は、老化、多くの病気、生活習慣病の原因といわれています。
活性酸素は、心理的・肉体的ストレス、紫外線や排ガス、喫煙、過剰な飲食、食品添加物、化学物質、放射線など、現代社会のさまざまな場面が引き金になり、体内で発生しています。活性酸素対策こそが病気を予防し健康を保つ秘訣なのです。
●がん、糖尿病などの病気や老化を予防
水素は、酸化の反対である還元の力があり、老化や病気に対抗できるといわれています。そのため、がん、高血圧、動脈硬化、糖尿病、肝炎、アトピー性皮膚炎などの治療や、アンチエイジングの手段として研究されています。これは「水素療法」と呼ばれますが、水素水の飲用はその一つの方法です。
水素水は、高い還元力により体内の悪玉活性酸素を除去する働きや、細胞のエネルギー代謝を正常にする働きがあります。
例えばがん細胞は、エネルギーを生産するミトコンドリアという器官の機能が低下していますが、水素水を摂取すると、ミトコンドリアの機能が復活し、正常な細胞代謝になるといわれます。また、がん細胞が出す大量の活性酸素も除去してくれるといわれています。
水素水は、飲料水として販売されているものもありますし、家庭で水素水がつくれるサーバーも販売されていますので、お好みのものを使用してください。
首藤紳介氏(表参道首藤クリニック院長)
久留米大学病院小児科、大分こども病院、聖マリア病院、湯島清水坂クリニック等の勤務を経て、表参道首藤クリニック院長。自然療法や代替医療をはじめ、水素温熱免疫療法や再生医療(臍帯血幹細胞治療)などの高度先進医療を実践。