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【雅道のサブカル見聞録】プラモデル業界の救世主となりそうなアニメ

 今年の10月から放送されているTVアニメ『ガールズ&パンツァー』。“戦車道”という乙女の嗜む架空の武道を作り、美少女と戦車という異色の組み合わせを成功させたアニメとしてアニオタの間で話題になっている。作品の舞台となっている茨城県の大洗でも、地元の観光協会などが熱の入った宣伝をするなどアニメ業界以外でも盛り上がりを見せつつある作品だ。そんな中、この作品に賭けているといってもいいかもしれない業界がある。最近苦戦の続くプラモデル業界だ。

 この『ガールズ&パンツァー』で使われる戦車は、作品オリジナルの戦車ではなく第二次大戦中に各国が使用した戦車がそのまま登場。このことから、戦車のスケールモデルを扱うプラモデルメーカーでは放送前から注目度が高く、放送開始と同時に数メーカーが本作とのコラボ戦車モデルを公開。盛んにプロモーション活動をしてきた。アニメ版権を利用したプラモデルといえばガンダムシリーズのガンプラを始め、ロボット系のプラモデルが多いが、これらの作品だと完全に別のジャンルとなるキットの金型や生産ラインを新規に形成する技術や資金が必要で、中小のメーカーが参戦するのは難しかった。しかし、もともと存在していた戦車のプラモデルはならば従来品の流用で可能で、今までアニメ版権系のプラモデルを控えてきたメーカーが製品化に乗り出したというわけだ。

 プラモデル系の情報誌関係者の話ではロボット系以外のプラモデルは趣味の多様化や少子化によって低迷が続いており、モデラーではない人達が普段触れることのない戦車プラモデルに触れる機会を提供できるこの作品でプラモデル業界全体で盛り上げるべきだと語る人もいるとのこと。実際に放送後の反響は上々で一話の放送終了後から問い合わせが相次いでいるメーカーもあるそうだ。

 また、アニメスタッフが見た目だけで主人公チームの戦車を選んでしまったため、主人公チームの戦車が軒並み低性能となってしまい、このままでは作中の大会にどうしても勝てなくなりそうなことから、アニメ後半では戦車乗り換えイベントが用意されてるのではないかという噂も。そうなると、新たに作中に登場する戦車も増えるので、商品のバリエーションが豊かになりそうだ。プラモデル業界の準備は整っている。後は本作の今以上の爆発的なヒットで長期の重要が生まれることを願うだけだろう(斎藤雅道)

 

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