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男と女の官能事件簿(2005年) 不倫相手の妻殺害を依頼で意外な事実(2)

 不倫相手の妻の殺害を「復讐サイト」に依頼した智美だったが、「カネを騙し取られたらしい」と警察に相談したため、自らが逮捕されることになってしまった。

 智美の供述から、同じく暴力行為等処罰法違反の容疑で「復讐請負人」の田中も逮捕された。そして、取り調べによって「依頼を実行する気なんてまったくなかった」ということが判明。詐欺容疑で再逮捕された。
 事件はこれで終わりかのように思えた。だが、実は本当の闇は別のところにあった。智美の不倫相手だった山田が、彼女への傷害容疑で警察に逮捕されたのである。
 そして、取り調べの過程で、山田のすさまじい暴力の様子が明らかとなっていった。

 当初は穏やかな山田だったが、事件が発覚する1年半以上前から、些細なことで智美をどなりつけ、暴力をふるうようになっていったという。たとえば、職場で智美が別の男性の同僚と立ち話をしていただけで、後から「何を話していたんだ!」「テメェの態度が悪いんだよ」などと怒鳴りつけることもよくあったらしい。
 言葉だけでなく、顔面を殴られるなどの暴力も頻繁だった。
 そればかりか、山田は智美に対して金銭まで要求するようになる。2人で会う時に、「デート代として1時間ごとに2000円払え」と一方的につきつけて、1回当たり数万円から十数万円を智美から奪い取った。次第に自分の給料だけでは足りなくなり、智美は消費者金融から借りて山田に手渡すまでになる。そして、山田に払った金額は500万円にも及ぶまでになっていった

 また、山田の妻が妊娠していたことがわかった時、実は、智美のほうから「もう別れましょう」と不倫関係を終わらせることを切り出されていたことも明らかとなった。
 ところが、これに対して山田は激怒。「別れるのなら、これまでの関係を職場に言いふらしてやる」「ネットで不倫のことをばらまいて、職場にいられなくしてやるぞ!」などと怒鳴り散らした。
 暴力をふるわれた上に現金までむしり取られるという仕打ちに、智美は山田への復讐を考えるようになった、というのが真相らしい。
 ところが、この智美の行為によって、山田の暴力はますます激しくなっていってしまう。
 ある時、智美のバッグを勝手に物色していた山田は、「請負人」田中と交わした、自分の妻に対する殺人依頼書を見つけてしまう。山田の怒りは、頂点に達した。
(つづく)

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