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日ハムが大谷翔平に「無理」をさせた本当の理由…

 大谷翔平(22=北海道日本ハムファイターズ)が一軍復帰した。交流戦明けの最初のカードとなる首位・東北楽天戦から一軍登録されたが、その出番はなかった。

 「大谷が一軍に合流したのは6月20日。23日、栗山(英樹=56)監督が様子を見て、ようやくゴーサインが出ました。一軍登録にさえ慎重になったところを見ると、大谷の怪我は完治していないのでしょう」(取材記者)

 一軍合流した20日だが、ランニングのときは天然芝の別グラウンドに向かわせる配慮もみせた。下半身への負担を軽減するためとはいえ、このシーンを見たとき、取材陣は「楽天3連戦でのスタメン出場はない」と直感したそうだ。

 「栗山監督の心境からすれば、もうしばらくは大事を取って休ませたいはず。今の大谷は怪我が治っただけであって、実戦感覚を取り戻したわけではありません。二軍戦に出して、試合カンを取り戻させ、そのあとで一軍復帰させる方法もあったんですが」(取材記者)

 去る6月19日、オールスターゲーム・ファン投票の最後の中間発表があった。大谷は指名打者部門で35万0070票を獲得。2位に約7万票の差をつけており、球宴出場はほぼ確実となった。

 「今オフの入札制度によるメジャーリーグ挑戦は、長期欠場後も否定されていません。今年の球宴はWBCメンバーがセ、パに別れて対戦するので、例年以上に盛り上がるのは必至。大谷はWBCを辞退した引け目もあるのか、『球宴に出たい』との気持ちを強く持っています」(球界関係者)

 日ハムのユニフォームを着ての出場が“最後”となれば、なおさらだろう。また、その気持ちを、早い時期に「球団が汲んでいた」とも解釈できる。

 球宴のファン投票だが、今でこそ、インターネットでの投票が主流になっているが、マークシートの投票用紙も使われている。球団ごと、各ポシションのレギュラー選手を塗りつぶして選ぶ形態になっているが、NPBはその用紙を印刷発注する前に確認もしている。確認先は言うまでもなく各球団だ。その時期は4月下旬。大谷が左太ももを故障したのは4月8日。つまり、怪我の状況を把握していた日ハム球団が「大谷を出場させたくない、無理をさせたくない」と判断すれば、指名打者の欄からその名前を消すこともできたわけだ。

 ルールによれば、野手部門での球宴出場の資格は「10試合以上の出場、もしくは20打席以上」となっている。大谷は故障離脱前に32打席に立っているので、その資格はある。

 「球宴のことがなければ、栗山監督は大谷を二軍戦で調整させ、夏場以降に復帰させたと思います」(前出・同)

 今年の球宴は7月14、15日。大谷の「球宴に出たい」との気持ちを球団がサポートしたことを受け、今オフのメジャー挑戦を確実視する向きも強まってきた。大谷がこれまでの遅れを取り戻そうと無理をすれば、故障再発のリスクも生じてしまう。

(スポーツライター・飯山満)

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