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アルコール性肝硬変の恐怖

 「治る見込みはないです。肝不全に近いと言われていて。いつ死んでもしようがない」。2月21日、『ノンストップ』(フジ系)に登場した元女流棋士の林葉直子(46)が、8年前から重度の肝硬変であることを告白。痩せ細った林葉は、「腹水が溜まってお腹がパンパン」「血小板が少なくて血を吐いた」など、壮絶な闘病の日々を明かした。
 「典型的なアルコール性肝硬変で亡くなったのが、故・横山やすしさん(享年51)。自宅で意識を失っているところを夫人が発見し、救急車で病院に運ばれたが、すでに心肺停止状態だった。死去前日、大量にビールを飲んで吐き出し、夫人が病院で診てもらわなければと考えた矢先のことでした」(芸能記者)

 巷には、大量飲酒でアルコール性肝硬変になる患者がゴマンといる。
 「肝硬変は、ウイルスやアルコール性障害などによる肝障害が原因で起こる疾患の、末期的状態の病気です。肝臓が小さくなっていき硬くなるのに伴い、肝臓の機能が低下します。肝臓は、人間の体の中でも化学工場のような働きをしており、沈黙の臓器とも言われている。したがって、初期症状が乏しく自覚症状がほとんどないのです。特効薬というものがないので、難しい病です」(世田谷井上病院・井上毅一理事長)

 肝硬変は、腹の中に水が溜まり、大きく膨れ上がるのが特徴だ。
 「私の患者さんには、腹水を4000cc抜いた人がいる。腹水を抜くと呼吸が楽になるが、抜かない方が治すにはいいという医師もいます」(同)

 末期の状態になると皮膚や白目に黄疸が出る。こうなると、すでに肝機能がかなり低下している。そのため、無毒化されないアンモニアが脳に入り、肝性昏睡を引き起こすことも。そして静かに息を引き取るのだ。厳しい状況にある林葉の回復を願うばかりだが、アルコール浸りの生活をしている人は、その危うさを肝に命じておこう。

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