そもそも2人は、大の親友。テレビイメージでは豪放磊落な香取だが、実は1人の時間を好む。あえて芸能人の友だちを増やさず、連絡先の交換も嫌う。スマホのアドレス帳に登録している芸能人は草なぎと、番組で長年共演したキャイ〜ン、山本耕史、観月ありさだけとウワサされるほど。派手に遊ぶ時間を、絵などをクリエイトする時間に充てたいと思う主義だ。
そんな香取が唯一、無言でいても気にならないほど心を許しているのが、草なぎ。元メンバーは10代から40代までのおよそ30年をともに過ごしており、その間には木村と稲垣、中居と木村など、さまざまな組み合わせがプライベートで親しい時期があったが、香取と草なぎは最長といえよう。
SMAP時代、2人は末っ子コンビ。年齢差は3歳だが、11歳で入所した香取にとって、年長で15歳の中居と木村はお兄ちゃんだった。その分、おとなしい草なぎとは、すぐに打ち解けた。10代のころは、ほかのメンバーにバレない暗号を考えたり、コンサート帰りの移動車でヒーローごっこをしたり、主題歌を即興で作ったり。何時間も続けて、ほかのメンバーから怒られたこともある。また、金遣いが荒い草なぎの財布を一時期、香取が管理した時期もあった。
2人の友情が際立ったのは、09年4月。草なぎが公然わいせつの現行犯で逮捕され、芸能活動を1か月自粛したときだ。このとき、香取は自身がメイン司会を務める『SmaSTATION!!』(テレビ朝日系)で、「みなさんに許していただけるのであれば、SMAPに1日でも早くツヨポンが戻ってくることを願っています」と涙で訴えた。毎日のように電話をかけて、励ましの言葉を送ってもいた。
草なぎ復帰後は、酒を控えていたこともあり、私生活を共にすることが減った。しかし、15年には、三谷幸喜監督脚本の舞台『burst! 危険なふたり』で、初の2人舞台に挑戦。この年には、先のラジオの放送開始20年目を祝して、草なぎが『シンツヨ Be On Right!』という名曲を、作詞・作曲している(音源化の予定はなし)。
迫りくる退所の日。2人の友情にヒビが入ることはないにしろ、背負い続けたジャニーズの金看板を下ろしてしまうのは、寂しい限りだ。