「彼とはアニメ系のイベントで知り合い、付き合うことになりました。私もアニメが好きですから、彼の部屋へ行った際、大量のフィギュアが並べてあってもそこまで驚かなかったんです。私もBL系の漫画を自宅に大量に所有していますからね」
むしろ陽子さんは、彼の家に遊びに行くたび、自分の詳しくなかった作品を知ることができるため、漫画やフィギュアに埋もれるその部屋が心地よくなっていった。しかしある日、彼の家で許容できないコレクションを発見し、ドン引きしてしまったという。
「ある日、彼の家で料理を作ってあげようと思い、食材をスーパーで買って遊びに行ったんです。その時、料理道具が見つからなくて、初めて下の戸棚を開けて、奥の方を覗いたところ、そこにビンに詰められた白いものが置いてありました。最初はシラスか何かだと思ったのですが、よく見ると大量の爪だったんです。私は『なにこれ!?』と声を荒げ、ソファーでくつろぐ彼に聞きました。彼によると、爪を集め始めたのは数年前で、彼が大好きな漫画『進撃の巨人』の作者が、いつも爪を集めていることを知り、興味本位でやってみたところ、やめられなくなったとのこと。正直、このコレクションにはちょっと驚きましたね」
爪を集めている人はいると聞いたことはあったものの、実際に大量の爪が入ったビンを目撃したのは初めてだという陽子さん。また当初、シラスと見間違えてしまったことで、いまだにその食材を見ると大量の爪を思い出してしまうのだという。
取材/構成・篠田エレナ
写真・PhotoAtelier