サンミュージックの正統派漫才師として、ライブシーンでは鉄板のうまさと面白さを誇り続けたふたり。ライブユニット「FKD48」では、ともに高い人気を誇ったアルコ&ピースやオジンオズボーン、かもめんたる、磁石や流れ星などが、夢のメジャーコンテストで好成績を収め、売れていく様を見ていた。デブの久保孝真は今年、10年のNHK大河ドラマの『龍馬伝』に続いて、TBS系『ルーズヴェルト・ゲーム』に出演。結婚もしたが、テレビタレントに昇格することはなかった。
そんな矢先に訪れた、ブレイクのチャンス。所属事務所からは、『キングオブコント2013』覇者のかもめんたる以来のエースとなる。
決勝戦以上に注目されることもある、このワイルドカード。大穴であることは、消滅した“M-1グランプリ”(来夏に復活)が物語っている。その昔は、アンタッチャブル、NON STYLE、オードリーらが勝ちあがり、翌年売れた。特に、07年のサンドウィッチマンは、もはやお笑い業界の伝説。弱小事務所で細々と芸人をしていた伊達みきお&富澤たけしが、敗者復活戦からそのまま決勝戦も突破。一夜にして、大スターになった。
今回の“THE MANZAI”に目を向けると、昨年は流れ星がブレイク。ある意味、真正面突破で決勝戦に進出するよりも、1度は落ちて、敗者という冠を有してはい上がるほうが、ウマ味があるのだ。
日本エレキテル連合の跳躍で幕を閉じる14年。15年は、三拍子をはじめ、どんなド貧乏芸人が月収をン倍に膨らませるのか。(伊藤由華)