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介護施設入居の84歳男、男性職員の首を包丁で切り付け逮捕 業界では暴言暴力など日常茶飯事か

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画像はイメージです

 12日午後1時すぎ、広島県廿日市市の高齢者介護施設で、入居する無職の男(84)が男性職員(45)の首を刃物で切り付ける事件があった。警察は、殺人未遂の疑いで男を現行犯逮捕した。男性職員は病院に運ばれたが、意識はあるという。調べに対して男は、「殺そうとして包丁で切り付けたことは間違いありません」と容疑を認めており、警察は、さらに動機を調べているという。報道によると、現場近くのキャンプ場職員は「信じられんですね。こんな身近でそんなことが起こるのかと思いますね」と驚きを隠せない様子でコメントした。

 この事件に対しネットユーザーからは「なんでそんなことになってしまったのだろう。認知症にせよ、動機があったにせよ、悲惨すぎる」「祖父母が介護施設に入居しているだけに、他人事ではない」「介護士の労働環境、利用者の待遇を見直したほうがいいのでは」などとコメントし、騒然となった。また、「自分は介護士だけど、さすがに包丁はないけど暴力はよくある」「ニュースになっていないだけで、介護士が利用者からの暴言・暴力を受けることなんて日常茶飯事」という介護士からの意見もあった。

 介護士が利用者から暴言や暴力を受けるのは日常茶飯事、というのは事実なのだろうか。長年介護施設で働く介護士の男性に話を聞いた。「事実です。暴言でいうと『死ね』、また反対に『人殺し』と言われたりします。暴力だと、杖で殴られたりとか。そういうことが日常茶飯事です。認知症のために感情のコントロールができなくなり、そうしてくる人、家族に見捨てられたという思い込みや、職員や施設に対する不満がきっかけでそうする人もいます。ただ、利用者さんからの暴言・暴力よりも、職員同士の人間関係のほうがよっぽどつらいもの。派閥やいじめがあるのが当たり前なので」

 利用者からの暴言・暴力が日常茶飯事ということも驚きだが、それ以上に職員同士の人間関係の方がつらいというところに、介護業界の闇を感じる。

文/浅利 水奈

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