しかし、これでは終わらなかった。取り調べのなかで、余罪が発覚。県警の発表によると、同容疑者は10年4月下旬頃、名古屋市内の集合住宅で、帰宅途中の女子高校生(当時)の後をつけて自宅に侵入。手で口をふさいで「叫んだら殺すぞ」などと脅し、乱暴しようとした疑い。女子高校生が抵抗したため逃走した。同容疑者は2月8日、強姦未遂と住居侵入の疑いで再逮捕された。
それはあくまで犯罪の一部。県警によると、同容疑者は高校生だった06年頃から、実家のある名古屋市や勤務先があった豊橋市で計約25件のわいせつ行為をしたと認めており、裏付けを進めている。同容疑者は「わいせつ目的だったが、強姦するつもりはなかった」と一部の容疑を否認しているという。
同容疑者は抵抗や反撃が少ない小中高校生を狙い、「警察官になり改心するつもりだった」と供述しているというから驚きだ。愛知県警はこんなハレンチな男を採用した上、5年余も逮捕できなかったことになる。昨年7月には豊橋市内のわいせつ事件現場近くで不審人物として住民に通報され、職務質問を受けていた。当時は警察官の身分を明かした上で、犯行への関与は否定していたが、名古屋市内の一部現場にあった遺留物のDNA型が同容疑者と一致し、逮捕につながった。
それにしても、高校時代からわいせつ行為を繰り返しながら警察官となり、なおも犯罪を続けていた同容疑者。「警察官になり改心するつもりだった」いう発想にも仰天だが、改心どころかエスカレートしてしまった、その行為は許されるものではない。そもそも、警察官になってはならない人物だったのだ。
(蔵元英二)