同大によると、16日午後に学生と教員だけが閲覧できるインターネットの掲示板で通知したが、翌日に取り下げられた。同大広報室は「対応した学生部職員の独断で、公式な方針ではない」と話している。
掲示板で通知された内容は、「マクドナルド甲東園駅前店関学生出入り禁止について」とのタイトルで、「標題の件、マクドナルド甲東園駅前店の店長より次の通り連絡がありました」との注釈で始まった。
(1)関学生がレポート作成や試験勉強のため、店内に長時間滞在し、他のお客様の迷惑になっている。
(2)関学生が飲食物の持ち込みし、店内で飲食をするという迷惑行為を行なっている。
「この現状を受けて、同店では定期試験(1/16〜28)の間、関学生の出入りを禁止にするとのことですので、同店の指示に従ってください」というもの。
同大広報室の職員が17日午後2時頃、この通知に気付き「店の利用まで禁止するのは問題だ」と判断。「マナーを守るよう徹底してほしい」との一般的な内容に変更した。
店舗は西宮上ケ原キャンパスから東に約1キロの甲東園駅前店で、店舗側は「学生が食べ物を持ち込むなどマナーが悪い」とも指摘していた。マクドナルド側は「学生を指導するよう申し入れたが、出入り禁止は求めていない。マクドナルド以外の店からも同様のクレームがあるので、今後も学生に注意をしていきたい」と語っており、出入り禁止通達は否定している。
これは同店だけの問題ではない。昨年12月には広島県福山市の店舗が、高校生の入店を制限した例がある。原因は高校生が空いているイスを占有したり、大声で騒いだり、長居をしたり、何も注文をせずに占拠したり、他店で購入した飲食物を持ち込んだりといった行為が横行したためだ。
マクドナルドは単価が安く、学生にも人気があるが、高校生や大学生による迷惑行為が後を絶たないのは事実。ファストフード店にとっては、回転率が勝負で長居は大敵。マナー違反は他の客の迷惑になる。ただし、店舗側も「出入り禁止」にまではしたくないのがホンネだろう。マナーを守って利用している学生も多数いるはずだ。ここはもう、学生の規範意識の向上と、店舗側のさらなる注意徹底しか解決への道はなさそうだ。
(蔵元英二)