試合は緊迫感に満ちていた。因縁が深まり、互いが決着戦を望む形で実現した2人のシングル戦初対決は、一瞬たりとも目が離せない展開となった。
両者は不用意に組み合うことはない。小川はジャブ、高山がローキックで牽制し合いながら距離を取る。だが、いざ接近戦になれば火の出るような打撃戦に突入する。時間がたつにつれ、試合の流れはパワーに勝る高山に傾くが、小川はここで驚くべき行動に出た。
なんと必殺技のSTOを、惜し気もなく3連続見舞ったのだ。結果、それが決定打となり、最後は胴締めスリーパーで勝利をものにした。
勝ったとはいえ小川は内容に納得していない。高山の実力を認めた上で「俺もしっくりこないし、彼もしっくりこないだろう。とにかく再戦しないとダメだな」と発言。
一方、小川の実力に疑問符をつけていた高山は試合後、暴走王と拳を合わせ、それまでの認識を改めるアクションを見せた。小川VS高山の因縁の決着戦は、終わってみれば、互いが認め合う新たなライバルストーリーの幕開けとなった。
小川は最後に「年齢的に残り少ない。崖っぷちに追い込んでやっていくしかない」と、引退へのカウントダウンに入ることを示した。