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歌蔵のロッケン問答 MAGUMI後編

 MAGUMIとの対談の後編は、今年3月9日、肺がんで亡くなった元レピッシュのメンバー、上田現さん(享年47)の話が中心。彼のユニークな人がらが偲(しの)ばれる。

 −−ところで音楽的影響を受けたビートルズは4人組でレピッシュは5人だけど、マグミさんってビートルズのメンバーに例えると誰になるのかな?
 「う〜ん、そうだねえ。あえていうならリンゴ・スターかな?」

 −−それは面白い(笑)後方だけどリンゴもステージの真ん中にいるしね。それにバンドのマスコット・キャラクターでした。
 「ある種のムードメーカーだし。一番カメラがあっても物怖(お)じしない。おれ、ジョンでもないしポールでもないしなあ。キーボードの(上田)現ちゃんがジョンでギターの(杉本)恭一がポールかな。ベースのタツが年下でジョージだね」

 −−その現ちゃんが今年の3月に亡くなりました。
 「おれ、最後の3日3晩一緒にいたからね。お別れはちゃんと言えたし、良かったと思う。けどやっぱり寂しいよね…」

 −−現ちゃんは生前、レピッシュは脱退して元ちとせをプロデュースしたりしてましたよね。
 「現ちゃん、バンドを抜けてたけど別れてはなかったんだよ」

 −−現ちゃんってどんな人でした?
 「いい加減な男だったね(笑)で、みんなのアイドル。レピッシュに一番理論的なものを持ち込んだ男。でもすぐに恭一が追い抜いて行ったけど(笑)。それに現ちゃんは新しいものを聴かない! デビッド・ボウイとトーキング・ヘッズとケイト・ブッシュ。この3つしか聴いてなかった(笑)。ビートルズもツェッペリンも知らんかった」

 −−それ一般のリスナー以下ですよ! それで「ワダツミの木」を作るんだから、やっぱり天才なんだろうなあ…。
 「自分の感覚で体現していったんだろうね。レピッシュのようなバンドに入るのが彼の運命だったんだよ。最初はもう1人ギターを入れようと思ってたんだから。そのころはおれもボーカルじゃなくて、ティンパルスを叩いたりトランペット叩いたりしてたんだ。バンドの変わった色、というのが俺の役目だった。で、ボーカルが抜けておれがボーカルをやることになって、もう1人誰か入れようという時に、同じ音楽サークルの中で1人寂しそうにしている現ちゃんを見つけた(笑)。MTRとかも持ってて、家に遊びに来ないって現ちゃんが誘うんで、現ちゃん家に行って録音したりして、『なんだ現ちゃん、うちのバンド入りたいんだ?』って聞いたら『う〜ん、そうとも言えるなあ』って(笑)」

 −−レピッシュは解散したわけじゃないんですよね?
 「うん。おれ、解散、再結成とか好きじゃないから。ずっと活動休止。20周年ライブもやったし現ちゃん追悼ライブもやったからね」

 −−マグミさん自体の今後のビジョンは?
 「今後も音楽を作っていくしかない。歌蔵くんたち伝統芸能は、先人たちの芸を継承しながら自分たちのオリジナルの芸を磨いていくんだろうけど、おれたちの場合は完全なオリジナルを作っていくんだよね。その楽しさを知っちゃったんだ。1万年後に歌蔵くんの『らくだ』が聴けるかも知れないけど、おれたちレピッシュとかの楽曲も残ってるかもしれない」

<プロフィール>
MAGUMI 1963年9月24日生まれ。日本スカ・パンク界のルーツ、LA-PPISCHのボーカル&トランペットとして87年のデビューから現在まで精力的にライブ活動やアルバムをリリース。01年からは並行してソロ活動も開始。今年6月には、渡辺蕗子(exショコラータ、スリル)、いしだ壱成の3人からなるユニットVenus&Marsとして、ファーストアルバム「Blueprint」をリリース。

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