最終回は、伊賀(福士蒼汰)が、母(財前直見)から、父がジンバブエに転勤になったことを告げられるというストーリー。しかし、母は意外にも「付いて来なくていい」と言う姿勢を示す。それが「北風と太陽」の“太陽”作戦だと悟った仮名子(石原さとみ)は同じように太陽作戦を取り、「ロワン・ディシー」に伊賀が必要ないことをアピールする。揺れる伊賀は、ジンバブエに行く決意を固め――というストーリーになっていた。
当初、“生首演出”などで物議を醸し、ストーリーのテンポの悪さも指摘されていた本作だが、最終回放送後は意外な声が聞かれたという。
「不評だった生首演出は最後の最後までありましたが、途中からは視聴者の方が慣れたのか、批判は止んだ形に。恋愛要素や、複雑な人間関係、大きな事件などがなく、登場人物の個性だけで成り立っているドラマでしたが、『気楽に見れる』として、一定の層からの人気を得ていました。放送後、視聴者からは、『ふわふわしてるドラマだったから見てて楽しかったし、終わって寂しい』『もうあのみんなのわちゃわちゃ感が見れないかと思うと悲しいな』といった寂しがる声が殺到。放送開始直後には考えられませんでしたが、意外な人気を確保していたようでした」(芸能ライター)
とはいえ、ラストにはやはり批判の声も寄せられていた。
「最後は、ロワン・ディシーの場所に和菓子の老舗が店を出したいと立ち退きの話が出て来るも、従業員たちは反対。レストランをやめ、老舗和菓子店に場所を取られないために、より経営の上手く行きそうな和風喫茶にするという案が出て来ます。一方、仮名子もいったんはこの場所を守って喫茶を始めようとするも、伊賀の『オーナーは、好きな時に好きなだけおいしいものを飲み食いできる場所を求めてる』『オーナーはオーナーでありながら客であると矛盾した存在でした。オーナー自身がその矛盾に気づいた以上、この店の未来はありません』という言葉に、『私たちが店を去るのではなく、店が私たちを去るのね』と、ロワン・ディシーの閉店と解散を宣言。最後には店に雷が落ち、全焼してしまうというものでした。このラストに、視聴者からは『どういうこと?』『意味が分からない…』と困惑の声が殺到。この展開は原作通りで、『経営よりも自分の飲み食いが優先のオーナーが、利益に固執して和風喫茶をする意味はないことにオーナーが気づいたため、転向せず、解散』という意味でしたが、あまりテンポよく話が進み過ぎて、ストーリーを理解できない視聴者が続出してしまったようです」(同)
賛否呼んだ最終回。とはいえ、ほぼ原作通りのラストということもあり、原作ファンからは喜びの声も多く聞かれていた。