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M&Aで肥大化する『ライザップ』が一部上場にコミットできない理由

 有名タレントを広告塔にした、テレビCMでお馴染みのRIZAP(ライザップ)グループの“太りすぎ”が不安視されている。「結果にコミットする」の謳い文句は様々な業種に手を広げつつある。

 トレーニングジムのライザップに通う会員は、トレーナーの厳しい管理下に置かれるため効果抜群と言われるが、辞めた途端に反動でリバウンドする人も少なくないという話もある。しかし、ダイエットに成功した芸能人に感化され、入会者数は増加している。

 「マンツーマントレーニングジムをコア事業に、ゴルフレッスン、英会話、飲食まで幅広い事業を手掛けている。これまでライザップが買収した企業は60社超で、その手法は経営難の企業の狙い撃ち。買収先企業の純資産よりも安い金額で買うと、その差額を営業利益に計上できるため、まさに利益を嵩上げする裏ワザです」(会計士)

 これにより、連結売上高は6年間で10倍まで膨れ上がっている。いわば、脂肪を削ぎ落とすライザップスタイルに反し、M&Aで太り続けているのだ。

 今年6月には、カルビーの会長兼最高経営責任者(CEO)だった松本晃氏をグループの代表取締役最高執行責任者(COO)に招聘し話題となった。松本氏は米ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人社長も務めており、新たな経営戦略に乗り出す。

 「しかし、美容・健康を中心としていたライザップが、アパレルや新聞社まで買収し驚きました。一部の金融機関はM&Aによる相乗効果が感じられないことを理由に融資に消極的になっており、今後の資金調達に影響が出るかもしれません。また現在、アンビシャス(札幌証券取引所)上場のライザップは東証一部への指定替えを狙っていると言われるが、その場合は新規上場審査となるので厳しく、グループの傘下企業まで調べるので時間がかかる」(市場関係者)

 '18年4月〜6月期の連結決算は最終損益が30億円の赤字。'21年には連結売上高3000億円を目標に掲げているが、そう簡単に結果にコミットできるのかは疑問だ。

 肥大化し続ける『ライザップ』をしっかりコントロールする“担当トレーナー”は果たして誰なのか? 複数の船頭では方向を誤りかねない。

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