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ノムさん復帰の波紋

 解離性大動脈瘤の疑いで都内の病院に入院していた前楽天監督の野村克也氏(74=現楽天名誉監督)が、退院していたことが明らかになり、早くも復帰Xデーが注目されている。

 「17日にもテレビ出演で復帰するのでは」「21日の大分の講演会がまだキャンセルされていないので、その日になるのではないか」。こういう2つの情報が流れている。
 野村氏サイドでは「風邪をこじらせただけ」と、終始一貫して解離性大動脈瘤を否定し続けてきたが、約1か月間もの入院を考えれば、風邪でないことは誰の目にも明白だろう。それにしても、復帰の舞台としていきなりテレビ、講演会情報が飛び交うようでは、球界関係者からこんな危惧する声が出るのも当然だろう。
 「いきなりまたテレビ出演だ、講演会だという、過密スケジュールの生活になったら、病院に逆戻りする恐れがあるのではないか。もう少し仕事をセーブしてやれないのか」と。
 が、すべてを仕切る辣腕マネージャーの沙知代夫人がゆっくり静養させるとは考えられないだろう。「時は金なり」という哲学だけに、入院中にキャンセルした仕事をどこかで埋め合わせしようとするから、復帰すれば、以前よりもさらに多忙になる恐れすらある。

 沙知代夫人の作ったスケジュール通りに動かされるだけの野村氏。入院前にもあまりの過密ダイヤに「オレは女房に殺される」とこぼしていたというが、復帰早々にネをあげるのではないか。いざとなったら、体調不良を理由にして早めに病院に逃げ込む奥の手しかないか。
 野村氏の復帰は家庭内の問題だけにとどまらない。楽天球団にとっても頭痛の種になるだろう。入院中は、「楽天の名誉監督なのだから、球団が対応すべきだろう」とマスコミから突き上げを食っても、「何も知らされていないので、申し訳ありません」で済んだ。監督時代も野村氏の仕事だけはすべて沙知代夫人の仕切りで、球団は関与できなかったことを、マスコミも知っている。だから、「サッチーから何も知らされていないのではしようがないな」と、むしろ同情され、それ以上追及されることはなかった。
 が、仕事に復帰されると、今度はたまりにたまった野村氏の毒ガス口撃に戦々恐々とさせられることになる。交流戦に入ってようやくチームが上昇機運に乗ったのは、偶然ではない。野村氏が入院したことで、ブラウン監督が外野席を気にすることなく、サイ配に専念できたからだ。

 開幕からつまずいた原因を振り返れば、よくわかるだろう。開幕直前の「楽天の本当の予想は最下位や。でも、名誉監督の肩書きがあるから温情で5位にしたんや」という野村氏予想に、審判の判定に怒りベース投げをするような激情家・ブラウン監督がぶち切れ。選手を前にしたミーティングで「5位になったら、みんなに土下座する」と言い切ったのだ。
 まさに野村毒ガス口撃の後遺症で楽天は、開幕エンストを起こしたといえる。野村氏の入院中は雑音がなく、チームにようやくブラウン監督の野球が浸透、巻き返しが始まったのだ。それなのに、野村氏の復帰で再び暗雲が漂う。
 入院中当初、病院と自宅の張り込みをさせられ、沙知代夫人の完黙の対応にウンザリしていた新聞記者たちも「復帰初日だけは行かなければいけないかな」と、嘆き節だ。退院はおめでたいはずなのに、喜んでいるのは沙知代夫人だけで、野村氏本人も周囲も戦々恐々とは…。

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