ソフトバンクvsヤクルトによる日本シリーズは、10月24日に開幕したが、その地上波中継の視聴率は、第1戦(24日=TBS)が9.3%(数字は以下、すべて関東地区)、第2戦(25日=テレビ東京)が7.3%と1ケタ台が続いた。
一方、ソフトバンクの地元・北部九州地区では、第1戦が29.9%、第2戦が24.4%と大変な盛り上がりようで、関東地区との温度差は激しい。
この後、神宮球場で迎える第3戦(27日)、第4戦(28日)、第5戦(29日)は、ヤクルトの系列であるフジテレビが中継。第5戦までに決着がつかなければ、福岡に戻っての第6戦はテレビ朝日、第7戦はフジテレビが放送する予定。
試合は第1、2戦ともにソフトバンクが戦力の差を見せつけて完勝した。逆にヤクルトが連勝していれば、もう少し、関東でも盛り上がっただろうが、これでは、フジが中継する第3〜5戦の視聴率は関東地区では低迷しそうな雲行きだ。
14年はソフトバンクvs阪神のカードだったが、やはり関東地区では視聴率は低調。第3戦(8.3%)、第4戦(8.4%)では1ケタ台を記録。全5戦中、最高は第1戦の11.8%と、極めて低いものだった。
13年は楽天と巨人によるきっ抗した闘いとなり、マー君(田中将大)人気、東北復興への後押しもあって、全7戦中6戦で20%超え。第6戦では28.4%、第7戦では27.8%の高視聴率をマーク。最低でも、第3戦の16.3%と高い数字を獲った。
12年は巨人vs日本ハムという地味なカードだったが、それでも、全6戦中5戦で15%を超えた。第3戦は13.7%と伸び悩んだが、第6戦では23.3%と大台を突破した。
巨人が出場しなかった11年(ソフトバンクvs中日)は、第1戦(9.2%)、第2戦(9.1%)で1ケタ台を記録。10年(ロッテvs中日)は、第3戦(6.8%)、第4戦(9.7%)で1ケタ台を出した上、第1、2、5戦は全国ネットでの地上波中継がない(名古屋ローカル局のみ地上波中継)異常事態となった。
野球人気低迷が叫ばれ、巨人の公式戦でも視聴率2ケタ台が獲れない時代となったが、やはり、日本シリーズとなると、話は別。ここ数年のデータを見れば歴然で、中継する各テレビ局にとって、「巨人が出るかどうか」は重要なポイントとなるのだ。
この後、ヤクルトが巻き返して、日本シリーズ自体が盛り上がらないかぎり、中継局は悲鳴を上げるしかなさそうだ。
(落合一郎)