2017年12月、好の助は真打昇進の際に師匠・好楽の前名である「林家九蔵」を襲名することを公表。襲名にあたっては林家九蔵に縁のある関係者らに事前に承認を取り2018年5月の襲名披露興行に向けて準備を進めていたが、2月に入り九代目・林家正蔵と正蔵の母・海老名香葉子さんから好楽に対し「林家九蔵」を襲名する経緯を説明するよう求めたという。
好楽は先代の正蔵である八代目・林家正蔵に入門し、初代・林家九蔵となったが1982年に師匠である正蔵が亡くなった際に五代目・三遊亭円楽の門下へと入り、名を三遊亭好楽へ改めている。
また、五代目・三遊亭円楽と好楽は当代の林家正蔵が副会長を務める「一般社団法人 落語協会」を脱会しており「林家」とは特に関係のない人物となっていることも今回の襲名の際に問題となったようだ。
好楽は海老名家と3時間に及ぶ話し合いの結果、林家九蔵の襲名を断念。三遊亭好の助のままで真打に昇進させることを決めたという。
今回の土壇場での「襲名取り消し」は落語界で非常に珍しい事態であり、好の助と関係者は今回の騒動を受けて対応を急いでいるという。
好の助は5月には「三代目・林家九蔵」になることが決定していたため、4月に行われるパーティーの招待状やパーティーで配られる手ぬぐいや扇子も既に「林家九蔵」として発注済みであり、作り直すことになった。これらはパーティーのための特注品のため既に100万近い費用がかかっている。興行の際に使用するのぼりや後ろ幕も同じく特注品。こちらも100万近くの予算がかかるため、今回の襲名取り消し問題でかかった負債額は計200万に上るとされている。
好楽はテレビ番組『笑点』では「貧乏キャラ」として人気を博しているが、実際は人気者ゆえ一回の落語会のギャラは100万近いとされている。200万の負債で大きなダメージを受けることはないと思われるが、非常にゴタゴタとした「弟子の門出」となってしまった。